2013 Fiscal Year Annual Research Report
MEG実験-レプトンフレーバーの破れから大統一理論へ
Project/Area Number |
22000004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (30311335)
三原 智 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (80292837)
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Project Period (FY) |
2010-04-21 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / 国際研究者交流(スイス、イタリア、米国、ロシア) / ミュー粒子 / 超対称性 / 大統一理論 / PSI / ニュートリノ / 液体キセノン |
Research Abstract |
平成25年、MEG実験では検出器メンテナンス、較正作業等の実験準備が着実に進められ、予定通り5月中旬から探索データ収集を開始した。データ収集は非常に順調に行われ、特にドリフトチェンバーの不調チャンネル数が低減されたことで例年より高いデータ収集効率を達成した。データ収集は予定通り8月末に終了、現行MEG実験で予定していたすべてのデータ収集を完了した。取得した平成25年のデータと現在解析中の平成24年のデータを合わせると総データ統計量は倍増することになる。全てのデータを用いた現行MEG実験の最終結果を導き出すべく、データ較正、解析アルゴリズムの改善も試みられた。たとえば、陽電子の飛行中消滅起源のガンマ線バックグラウンドを抑制する解析アルゴリズムを新たに開発し、探索感度を15%改善することに成功した。 将来の究極感度実験に向けた研究開発も順調に進められた。液体キセノンガンマ線検出器用の新型光センサーについては、新技術の導入により当初予想より高い性能を実現することに成功した。海外の研究機関による波形取得電子回路の開発が遅れたため、プロトタイプ検出器を用いた光センサー性能実証試験を平成26年度に繰り越して実施せざるをえなくなったが、回路を必要としない試験を先行して行うなどの工夫により研究全体の進捗への影響は最小限にとどまる予定である。また、陽電子タイミングカウンターについてはプロトタイプを用いたビーム試験が行われ、30ps台の究極の時間分解能が実現可能であることを実証した。さらにミュー粒子の輻射崩壊からのガンマ線バックグラウンドを同定する検出器を新たに開発、ビーム試験によりその有効性を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MEG実験に関しては、ドリフトチェンバーの性能改善により例年より高いデータ収集効率を実現、予定より多くのデータを収集することに成功した。さらに陽電子飛行中消滅起源のガンマ線を抑制する解析アルゴリズムの開発により、当初予定よりも高い探索感度を達成した。 また、究極感度実験についても、海外研究機関による電子回路の開発の遅れがあったもののその影響は限定的で、新技術による光センサーの性能向上、ミュー粒子輻射崩壊起源ガンマ線バックグラウンドの同定による探索感度の向上は当初予定してなかった改善点となる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、平成24~25年に取得したデータの解析が鋭意進行中であり、順調に行けば平成26年夏の国際会議においてMEG実験の全データを用いた解析の暫定結果を発表できる見込みである。また、現在進めている改良型高精度磁場測定器による磁場測定の結果を用いて磁場分布の精度を向上させ、現行MEG実験の最終到達感度をさらに改善できる可能性がある。 究極感度実験については、プロトタイプ検出器を用いたビームテストにより新検出器の性能実証試験を行い、実機建設に向けた準備を可能な限り進めていく。
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Research Products
(31 results)
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[Presentation] Charged Lepton Physics2013
Author(s)
Satoshi Mihara
Organizer
XXVI International Symposium on Lepton Photon Interactions at High Energies
Place of Presentation
San Francisco, California, USA
Year and Date
2013-06-28
Invited
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