2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体分子の合成とナノ組織化による高効率光電変換
Project/Area Number |
22000008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00134809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 豊 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任教授 (00334243)
岡本 敏宏 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授 (80469931)
佐藤 佳晴 三菱化学科学技術研究センター, 太陽電池プロジェクト, 主幹研究員 (10501380)
越野 雅至 産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 研究員 (00505240)
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 太陽光発電 / 選択的有機合成 / 低環境負荷プロセス / 有機エレクトロニクス |
Research Abstract |
本研究では半導体性を示す新型の分子やそれらの分子組織体のナノレベル構造制御法を開発し,有機薄膜太陽電池に代表される高効率有機デバイスに結実させることを目的とする.以下に本年度研究成果の概要を示す, (1)フラーレン分子の機能化:置換フラーレンに対するさらなる修飾法として,銅触媒によるアルキンと五重付加型[60]フラーレン誘導体の[4+2]環化を開発した.従来難しいとされたフラーレンへの高効率触媒反応を可能にし,新たなn型半導体の合理的開発に道を拓いた, (2)フラーレン分子のナノ組織化:フッ素化芳香族部位を導入した[60]フラーレン誘導体を設計,合成し,π共役系同士の相互作用による自己組織化により有機薄膜デバイス内におけるアクセプター分子の配列を制御することに成功した. (3)鉄触媒を用いたπ共役分子合成法の開発:鉄触媒を用いたアルキンとビアリールの[4+2]環化反応,およびアルキンへのスタンニルリチオ化を鍵とした四置換アルケンの合成法を開発し,種々の平面型共役分子の合成へと応用することができた.いずれも低環境負荷の有機半導体合成法として有望である, (4)高LUMOフラーレンを用いた有機薄膜太陽電池;フラーレンの高機能化を目指した研究の中で,当初想定していなかった56π電子系を有する高LUMOメタノ[60]フラーレン誘導体の効率的合成法を発見した.これらのフラーレンをアクセプターとして用いて作製した太陽電池は,通常用いられる58π電子系を有するフラーレン誘導体に比べ高い開放電圧を示し,高効率化への新たな指針が得られた.
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Research Products
(21 results)