2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22000013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 重一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70114428)
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Keywords | アポトーシス / 自然免疫 / リン脂質 / マクロファージ / 貪食 |
Research Abstract |
動物はその恒常性を維持するため、毎日大量の細胞をアポトーシスにより死滅させる。この過程ではカスパーゼが活性化され、細胞内蛋白質を分解、細胞に死をもたらす。死細胞はphosphatidylserine(PS)をその表面に暴露し、マクロファージにより、認識・貪食・分解される。DNase IIはマクロファージ・リソソームで死細胞DNAを分解するが、この酵素を欠損するマウスはマクロファージに未分解DNAを蓄積し、これにより活性化されたマクロファージから分泌されたTNFにより関節炎を発症する。本年度、この関節炎の発症にはリンパ球が関与していないこと、関節では炎症性サイトカイン遺伝子(IL-6,II-1β,TNF)がお互い活性化し合っていること、これら3個のサイトカインのうちどのサイトカインの作用を止めても関節炎の発症は抑えられることを見いだした。また、Ca-イオノフォアで処理することにより細胞表面に一過的にPSが暴露されること見いだし、このことを利用してPSを強く暴露する細胞株を樹立した。そしてこの細胞より発現クローニング法によりCaに応答してPSを細胞表面に暴露させるscramblaseの同定に成功した。この分子はTMEM16Fと呼ばれる膜貫通領域を8個持つ蛋白質であり、TMEM16Fを強制発現した細胞ではCaによるPSの暴露が促進され、ノックダウンした細胞ではPSの暴露が抑制された。血小板が活性化された際、その表面にはPSが暴露され、PSを介して血液凝固因子が血小板に結合、凝固反応がスタートする。TMEM16Fは血小板でのPSの暴露に関与する分子であること、Scott Syndromeと呼ばれる血友病に似た症状を示す病気の患者ではこの分子に変異が導入されていることを見いだした。TMEM16Fは大きなファミリーを形成している。今後、それぞれのメンバーがどのような生理的役割を持っているか明らかにする必要があろう。
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Research Products
(36 results)
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[Presentation] Apoptosis and Autoimmunity.2010
Author(s)
Nagata, S.
Organizer
APRU Research Symposium on Molecular Biology & Research Symposium on Nano-biology
Place of Presentation
Kyoto University (iCeMS), Kyoto, JAPAN(招待講演)
Year and Date
2010-11-26
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