2011 Fiscal Year Annual Research Report
政治構造変動と圧力団体、政策ネットワーク、市民社会の変容に関する比較実証研究
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22223001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻中 豊 筑波大学, 副学長 (70145944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 裕城 同志社大学, 法学部, 教授 (70329936)
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
大西 裕 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90254375)
小嶋 華津子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00344854)
坂本 治也 関西大学, 法学部, 准教授 (30420657)
近藤 康史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00323238)
竹中 佳彦 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80236489)
ティムール ダダバエフ 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10376626)
山本 英弘 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (20431661)
崔 宰英 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80332550)
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Keywords | 圧力団体 / 政策ネットワーク / 市民社会 / 政治変動 / 現代日本政治 / 利益団体 / 政権交代 / サーベイ調査 |
Research Abstract |
本年度は、前年度のブレーン・ストーミングを経て実証調査研究に入った。第1に、合計4度の研究会を開催し、圧力団体調査の調査票(面接調査と留置調査の併用)を作成した。本研究の目的は、日本で政治変動が政策過程や市民社会に与える衝撃を、複数の調査から検証することである。過去3次行われてきた圧力団体調査からは、政党の勢力配置など政治変動が社会変容を主導すること、政権政党の交代が大きな衝撃を与えることが示唆されていた。ただ、2011年3月に生じた東日本大震災も、団体をとりまく社会経済政治状況を変化させた可能性がある。そこで、両者を総合的に把握することのできる調査票を新たに作成した。政権交代のみならず、震災後の日本政治を分析するうえで有用な調査票となった。第2に、圧力団体調査の対象を選定した。政権交代(2009年)をまたぐ4年間(2008~11年)に、①参議院議員選挙全国区での候補者推薦・支援、②国会での発言、③審議会のメンバー入り、④税制改正要望の実施、⑤過去3次調査協力団体等、いずれかの条件に該当する団体を選定した。この方法は、先行研究に比べて手続き的な透明性が高く画期的である。第3に、圧力団体調査を実施した。東日本大震災の影響で調査開始時期が遅れ、調査を完了することのできた団体の数が当初の予定を下回らざるを得なかったため、次年度にも調査を継続した(合計で250以上事例を収集)。第4に、次年度の政策ネットワーク調査に向けた検討を行った。1990年代に実施した労働政策ネットワーク、地球環境政策ネットワークという2つの調査結果を再検討し、支援関係や情報交換関係など個別的なネットワークを総合的に捉える必要があること、具体的な政策争点に対する賛成-反対では「反対」という回答を得にくく、アクター間のネットワーク構造を捉えるうえでは他の質問形式を設定する必要があることなどを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査設計は計画通り進んだが、東日本大震災の影響(3月)、並びに民主党連立政権での内閣の変更(9月、菅内閣から野田内閣へ)を受けて、当初よりも圧力団体調査の開始が遅れた。結果的に当初予定した規模(獲得事例250)の圧力団体調査を年度内に完結することを断念せざるを得なかった。ただし、数か月遅れで開始した圧力団体調査はその後、次年度に跨って順調に事例を収集し、目標獲得事例を上回るデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
圧力団体調査を継続して実施すると共に、政策ネットワーク調査の準備を計画通り進める。2つの調査実施時期が近づくため、実査態勢を入念に整えて、調査分析を進めていく。(結果的に予定どおり両調査を完遂した。)
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