2011 Fiscal Year Annual Research Report
途上国における貧困削減と制度・市場・政策:比較経済発展論の試み
Project/Area Number |
22223003
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
高崎 善人 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (00334029)
神門 善久 明治学院大学, 経済学部, 教授 (80195924)
櫻井 武司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40343769)
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
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Keywords | 経済発展 / 貧困削減 / 比較制度分析 / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
開発途上国における貧困削減・経済開発のために有益な経済発展論・開発戦略の方向性を示すことを目的とした本研究の第二年次として、経済発展データベース(DB)の整備と、研究分担者・連携研究者・内外の研究協力者との共同研究を進めた。概ね予定した研究成果を得ることができた。 DB整備は、アジア・アフリカにおけるオリジナルな調査に基づくDBと、歴史的データや既存統計のDB化の両面で顕著に進展した。アジアに関しては、インド都市・農村移動調査のDB化をほぼ完了してそれに基づくディスカッション・ペーパー(DP)を作成し、同国での関連調査として天候保険に関する家計調査と社会実験を実施した。またパキスタン洪水被災地調査の第1次ラウンドに基づくDPを作成し第2次調査を実施し、同国での住民参加開発に関する第2次調査も実施した。アフリカに関しては、ザンビアの調査地において近隣の測候所で計測した雨期の総雨量に基づく天候保険の販売実験を行いその結果を学会で報告し、ブルキナファソでは第2次家計調査を実施した。途上国比較家計調査の準備作業としてナイジェリアでの予備調査を実施し、フィジー追跡調査の可能性を検討した。他方歴史データのDB化作業として、これまで活用されてこなかったアジア諸国の教育行政に関する資料を収集しDB化する作業を行い、フィリピンで国際稲研究所(IRRI)を基盤に過去40年にわたって実施された調査を再整理した(それぞれについてDP作成)。戦前日本については、農家経済調査および法制度整備に関するDB化をさらに進め、それぞれに関してDPが作成された。DB整備とDP作成は、のべ10回を超す研究会・セミナーを通じて、メンバー間での議論と研究手法の共有をはかる作業と並行して実施された。研究成果を公開する媒体として初年度に開設したウェブおよびニュースレターを通じて一般向けの情報発信も積極的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度には経済発展データベース(DB)の整備に特に力を入れることにより、プロジェクトの遅れはほぼ取り戻された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もほぼ予定通りに、経済発展データベース(DB)の整備と、メンバーによる共同研究を進める。平成24年度はこれまでの成果の取りまとめと今後に向けた課題の洗い出しに重点を置く。ただし平成25年度に2件予定していた途上国比較家計調査の本調査は、準備作業が予想以上に進んだことと研究エフォートの平準化を図るために、うち1件を平成24年度にナイジェリアにおいて実施する。最終の平成26年度にはDB化作業を完了し、国際会議にて研究成果を披露する。
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Research Products
(51 results)