2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・太平洋価値観国際比較調査-文化多様体の統計科学的解析
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22223006
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
吉野 諒三 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60220711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 隆裕 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00270413)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アジア・太平洋価値観国際比較 / 日本人の国民性 / 信頼感 / 統計的無作為標本抽出調査 / 文化多様体解析 / 意識調査 / 時系列調査 / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、文化の伝播変容を統計科学的に解明するために、アジア・太平洋諸国の人々の意識構造について統計科学的標本抽出法に則った面接調査を遂行する事であり、本年度は海外調査に関しては、一連のアジア・太平洋価値観国際比較調査の中核を成す国・地域の最後として、インド調査のために必要な検討作業の後、統計的標本抽出法に則った面接調査を遂行した。多民族国家インドの特殊事情のため、調査票の翻訳作業や標本抽出計画には、特に配慮した。 他方で、これまで、統計数理研究所による統計的標本抽出法による意識調査が遂行されたことがなかった東南アジア各国における面接調査の事情を、統計技術的な問題、現地の治安状況、費用や信頼できる現地調査機関の確保などについて情報収集した。その結果、ベトナムにおいて、全国レベルの面接調査を遂行することに決定し、サンプリング方法の検討や調査票翻訳を経て、これを実施に移した。 上記の海外調査に並行して、日本の時系列調査として、「第13回日本人の国民性調査」が遂行された。この結果を国際比較版の22年度日本調査とリンクさせることにより、調査データの空間的解析と時間的解析の比較の要とした。ただし、2つの日本調査は、調査票のうち重複する項目と異なる項目が混在すること、また我々の日本2010年調査のあとに東日本大震災とフクシマ原子力発電事故が勃発したことを踏まえ、限定された費用の中ではあるが、これらに関する情報を補完するために、日本オムニバス調査を2本遂行した。 インド及びベトナムにおける調査実施前の準備に、想定以上の時間ががかり、回収データの納入が遅れ、結果としてそれぞれの調査研究リポートの作成、発刊、配布の作業が次年度へ繰り越された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標に沿って進行しているが、一部、現地の調査会社の対応の遅れのため、調査の結果をまとめ、各国別に研究リポートとして発刊する作業が当初想定した予定よりも、多少遅れ、関連業者への支払い手続きなどが絡むために、年度をまたぐ形になってしまっている。ただし、実質的な研究計画自体の進行は、概ね順調と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査に関しては、実施するか否かは別として、各国や地域での現地調査会社の採用している統計的標本抽出法に関して情報収集を継続する。また、各国の政治、経済、社会等々に関しては一般的な情報収集を継続する。次年度は、計画の最終年度のため、総合報告書の作成、学術雑誌において特集を組み、論文を多数発刊するように努めるつもりである。 また、予算の許す範囲で、各種の補完調査を遂行し、この4年ほどのわれわれの調査の当該地域の変化の情報を補う努力もするつもりである。
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Research Products
(45 results)