2011 Fiscal Year Annual Research Report
秒角撮像遠赤外線干渉計による星生成領域核心部の観測
Project/Area Number |
22224002
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芝井 広 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住 貴宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30432214)
深川 美里 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40509840)
|
Keywords | 光赤外線天文学 / 銀河系星間塵 / 気球搭載望遠鏡 / 遠赤外線 / 原始惑星系円盤 / 星惑星系形成 / 干渉計 / 活動銀河核 |
Research Abstract |
世界初の宇宙遠赤外線干渉計FITE(Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment)の基線長を20mまで延伸して、最終的に空間分解能1秒角を達成することが目的である。大規模星形成領域をこの分解能で遠赤外線観測を行い、ダスト分布の空間情報を得る。サブミリ波などの観測データとともに用いることで、ダストの温度分布と密度分布について圧倒的な解像度のデータが得られ、エネルギー源の特定、スターバースト本体の解明、原始惑星系円盤の温度解明に資する。さらには世界初の遠赤外線干渉計観測技術を発展させる。2010年度にブラジルの気球基地から打ち上げ観測を行う計画であったが、重要装置が故障したためフライトを見送った。2011年度は不具合原因の究明を行い、12月には完了した。これを受けて一部の研究費を2012年度に繰り越し、再度、ブラジルでのフライトに臨む計画であったが、JAXA宇宙科学研究所の大気球観測事業の海外キャンペーンの場をオーストラリアに変更することになった。そのため、2012年度のフライトも見送ることになった。この間、観測効率の向上のために、従来と比べて5倍のピクセル数を持った遠赤外線アレイセンサーの開発、および、現地での光学調整を効率化するための、2ビーム同時シャックハルトマン波面センサーシステムの開発を行った。これらの成果については、複数の関連国内学会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2010年度に重要装置の故障によって実験ができなかったが、この原因究明が2011年12月にやっと終了した。このために研究費の一部を2012年度に繰り越したが、JAXA宇宙科学研究所の大気球観測事業がブラジルからオーストラリアに変更になり、その対応のために2012年度の実験を見送った。
|
Strategy for Future Research Activity |
JAXA宇宙科学研究所の大気球観測事業は、次回のフライトを2014年度5、6月に行う計画である。これに向けて遠赤外線干渉計望遠鏡の準備を進めている。フライトの回数が減り観測時間が短くなることが予想されるために、新たに素子数を5倍にした遠赤外線センサーを開発し、観測効率を上げることによって補う計画である。このフライトのために2013年度中に、器材一式をオーストラリアの気球フライト基地に輸送し、2014年度当初から実験準備を進める計画である。観測天体は代表的な赤外線天体であるIRC+10216とイータ・カリーナ星雲を予定している。両天体ともに高温の星間塵雲があることがわかっており、空間分解能を向上させた観測によってその温度構造が詳細にわかると期待できる。
|
Research Products
(6 results)