2013 Fiscal Year Annual Research Report
秒角撮像遠赤外線干渉計による星生成領域核心部の観測
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22224002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芝井 広 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70154234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住 貴宏 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432214)
深川 美里 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40509840)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 宇宙科学 / 天文 / 遠赤外線干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、前研究で完成した世界初の宇宙遠赤外線干渉計FITE(Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment)の基線長を20mまで延伸して、空間分解能1秒角を達成する。大規模星形成領域をこの分解能で遠赤外線観測を行い、ダスト分布の空間情報を得ることであった。2014年度にオーストラリアから大気球フライトを実施する計画であり、そのために、(1)新フレームの強度試験 (JAXA宇宙科学研究所にて実施)、(2)オーストラリアにおける送受信システムへの対応、(3)遠赤外線センサー多素子化を行い、12月までには準備を完了し、2月にはオーストラリアに機材を発送する計画であった。(1)については新たにCFRPでフレームを製作し、実験に耐える強度を備えていることを荷重試験で実証した。(3)についても素子数を5倍にした遠赤外線センサーを組立た。 しかしながら、このオーストラリア実験が延期されたため、経費の一部を2014年度に繰り越した。2014年度においては(2)に関連して新たな送信容量に適合するようにスターセンサーカメラの画像圧縮技術を開発した。さらにはオーストラリア現地での光学的調整作業を能率的に行うために、新たに二種類の調整機構を開発した。いずれもオリジナルなアイデアに基づくものである。これらの研究成果については、国内・国外の研究会や雑誌論文にて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の当初計画と比較すると、初年度のブラジルでのフライトが重要装置の度重なる故障で断念せざるをえなかったこと、その後、オーストラリアにフライト基地を変更したために必要になった装置の改修作業が多岐にわたっていることから、未だにフライトが実施できていない。 この重要装置の故障にの原因を探るために、JAXAの専門家と徹底的な調査を行ったが、原因の特定には至っていない。したがって、可能性のある原因をすべて取り除くことと、万が一の故障が発生した時のために予備機を準備しておくことで対処する。これの対策に1年を要した。 一方、この期間を利用して、遠赤外センサーの多素子化、装置フレームの軽量化、可搬性の高度化、フライト現地での光学調整作業の省力化など、大気球搭載遠赤外線干渉計装置の高度化を達成してきており、フライトを実施した場合の成果の期待値は、当初よりも有意に大きくなったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本装置のフライトは、JAXAの大気球観測事業の実験項目の一つであり、JAXAがオーストラリアでの実験実施に合わせて、本実験を実施する必要がある。JAXAは2015年度に最初の実験を行う計画であり、ようやく、我々の装置のフライトの準備と環境が整ってきた。本装置は世界で類のない、大気圏外の干渉望遠鏡である。将来の宇宙空間における干渉計望遠鏡衛星への第一歩として、何としても実現を図りたい。チリ高地に設置されたALMA望遠鏡によってサブミリ波電波での高解像撮像が大きい成功を収めているが、星間物質の放射のレイリー・ジーンズ側の測定であるために、物質の温度を決めることが困難である。より短波長の遠赤外線で高解像の観測を推進していくことで、この分野の研究が一層発展すると考えられる。 最終年度であった2014年度の研究費の過半を2015年度に繰り越し、準備を万全にしてオーストラリアでのフライト実験に臨む計画である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment: Optical Adjustment System2014
Author(s)
Sasaki, Ayana; Shibai, Hiroshi; Fukagawa, Misato; Sumi, Takahiro; Kanoh, Tesuo; Yamamoto, Kodai; Itoh, Yusuke; Akiyama, Naoki; Terano, Atsushi; Aimi, Yukako; Kuwada, Yoshihiro; Konishi, Mihoko; Narita, Masanao
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Journal Title
IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology
Volume: 4
Pages: 179-183
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment : FITE2015
Author(s)
Atsushi Terano, Hiroshi Shibai, Ayana Sasaki, Satoshi Itoh, Minori Nakamichi, Teruhira Oyama, Mankichi Mitsumoto, Takahiro Sumi, Misato Fukagawa, Yoshihiro Kuwada, Mihoko Konishi, Koudai Yamamoto, Masanao Narita, Akihiro Doi ,Yusuke Kono
Organizer
Ground and space observatories:a joint venture to planetary science
Place of Presentation
Santiago, Chile
Year and Date
2015-03-02 – 2015-03-05
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[Presentation] Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment : FITE2015
Author(s)
Minori Nakamichi, Hiroshi Shibai, Ayana Sasaki, Atsushi Terano, Satoshi Itoh, Takahiro Sumi, Misato Fukagawa, Yoshihiro Kuwada, Mihoko Konishi, Teruhira Oyama, Mankichi Mitsumoto, Koudai Yamamoto, Masanao Narita, Akihiro Doi, Yusuke Kono
Organizer
FISICA 2015 - Instrument Simulation and Preliminary Technology Development Activities
Place of Presentation
Maynooth, Ireland
Year and Date
2015-01-28 – 2015-01-29
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[Presentation] 気球搭載遠赤外線干渉計FITE:放物面鏡調整機構の開発2014
Author(s)
寺農篤, 芝井広,佐々木彩奈,伊藤哲司,中道みのり, 住貴宏, 深川美里, 桒田嘉大, 小西美穂子, 山本広大, 成田正直
Organizer
大気球シンポジウム
Place of Presentation
相模原
Year and Date
2014-11-06 – 2014-11-07
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[Presentation] 気球搭載遠赤外線干渉計FITE2014
Author(s)
芝井 広, 佐々木彩奈, 寺農 篤, 伊藤哲司, 中道みのり, 大山照平, 密本万吉, 住 貴宏, 深川美里, 桒田嘉大, 小西美穂子, 山本広大, 成田正直, 土居明広, 吉田哲也, 斉藤芳隆, 河野裕介
Organizer
大気球シンポジウム
Place of Presentation
相模原
Year and Date
2014-11-06 – 2014-11-07
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