2011 Fiscal Year Annual Research Report
光および弾性波励起による磁化の超高速制御とその応用
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22226002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗片 比呂夫 東京工業大学, 像情報工学研究所, 教授 (60270922)
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Keywords | 機能性磁性体 / スピン軌道相互作用 / 超高速現象 / 新機能光素子 |
Research Abstract |
(Ga,Mn)As薄膜の光誘起才差運動の研究では2つの新知見が得られた。第一に、磁化ベクトルが面内に配向した薄膜の示す磁気光学効果が、ベクトルの方位に依存して変化する屈折率すなわち磁気複屈折による起因することを世界に先駆けて明らかにすることができた。この結論は、磁気特性がほぼ同じ一連の試料について、反射光偏光面の回転角の(Ga,Mn)As層厚依存性を注意深く調べた実験により得られた。第二に、(Ga,Mn)Asにおける磁化ダイナミクスとひずみの関係を明らかにすることができた。具体的には、試料をピエゾアクチュエータ(PA)により伸長・収縮させると、才差運動の振動周波数が増加・減少することを見出した。ひずみ1%に対する有効磁場の変化量は0.26Teslaであり、この結果は、弾性波励起による磁化ベクトル変調実験の土台となる。一方、室温における磁化の光制御とスピン光メモリーへの展開については、室温光制御に適した素材に関する新知見が1点、光導波路と磁性体金属薄膜の光結合に関する新知見が1点得られた。まず、前者に関して、昨年度導入したDCマグネトロンスパッタによりシリコン基板上に作製したCo/Pd多層膜において、磁化の光誘起才差運動が、室温で、しかも、従来の実験例より二桁低い光強度でおこることを見出した。界面磁性が関連した現象と推測している。後者の光結合に関する背景として、磁気光学効果を介して光導波路内の偏光を制御できれば光回路にメモリー機能を付加できると期待され、光入射角度と磁気光学効果との関連を精密に知る必要がある。本年度は、溶融石英ガラスプリズム上にGdFe薄膜を直接堆積した試料についてこのことを調べた結果、入射角度78°、すなわちプリュースター条件近傍で磁気光学効果が増強されること、さらに、水平に近い入射角(84°)でも比較的大きな磁気光学信号が得られることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室温における磁化のコヒーレント制御の呈示は既に達成された。スピン光メモリーの試作に向けた基礎実験や試作要素技術の開拓も順調に進展中。弾性波励起の基礎となる静的ひずみ印加実験もおおむね順当に進展中。磁気複屈折の発見は思いがけない成果であった。テラ・ペタヘルツ領域にむけた実験の構築がやや遅れている。以上を総括して(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の協働研究体制、すなわち、博士号を有する学内研究者4名(うち連携研究者1名)、本学教員2名(代表者と連携研究者)、電通大教員1名(文科省事業「光拠点」参加研究者)、NHK放送技術研究所研究員1名(共同研究)により、先端基礎と応用をつなぐ研究体制が形成されている。このネットワークを今後も維持することが大変重要と考える。テラ・ペタヘルツ領域にむけた実験には、「制御された磁壁」を有する微小磁性体構造の形成が不可欠なので、今後、その部分に研究パワーを割いていきたいと考えている。設備導入については今後も計画どおり進める。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] Spin-photonics2011
Author(s)
H.Munekata
Organizer
11th Magnetics and Optics Research International Symposium for New Storage Technology (MORIS-2011)
Place of Presentation
Nijmegen, The Netherlands(Tutorial)
Year and Date
2011-06-22
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