2013 Fiscal Year Annual Research Report
半導体多層配線のプロセス限界を超越する拡散バリア層の開発原理
Project/Area Number |
22226012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 淳一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (10261588)
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Project Period (FY) |
2010-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | 銅合金 / 薄膜 / 配線 / 半導体 / 界面 / リフロー / バリア層 |
Research Abstract |
Cu合金のリフロー埋め込みに関しては、SiO2絶縁層に形成した開口幅50~200nmの配線溝を有する基板を用いた。スタティックリフロー法として、銅を成膜後に熱処理を行ったところ、銅が配線溝に入ることはなかった。その原因として、リフロー前の開口部の表面エネルギーより、リフロー後の配線溝内の界面エネルギーの方が高いことが考えられる。一方、ダイナミックリフロー法として、基板を高温に保持して銅を成膜したところ、全ての配線溝内に銅を埋め込むすることができた。リフロー量は成膜時間の二乗に比例して増加することが明らかになった。また、拡散係数は体拡散と表面拡散の中間の値を取ることが明らかになった。これらの結果より、ダイナミックリフロー法を用いれば50nm幅の微細配線を埋め込むことが可能であることが示され、その主要機構は粒界拡散であることが判明した。さらに、埋め込まれた銅配線と絶縁層との界面には厚さが2~4nmの界面層が形成されており、拡散バリア層が自己形成されることも判明した。 化学気相成長法によるバリア層の形成に関しては、熱分解温度が230℃のMn前駆体(MP21)を用いてSiO2およびSiOC絶縁層基板上に成膜した。成膜した膜厚の温度依存性から求めた活性化エネルギーは160 kJ/molであり、基板種による有意差はなく、時間依存性については直線則が得られた。これらの結果より、MP21によるバリア層形成機構は、これまで用いてきた(EtCp)2Mn前駆体とは異なり、前駆体の熱分解生成物が堆積して成長することが明らかになった。また、バリア層を形成した基板上に銅を成膜し、拡散バリア性および濡れ性と密着性を調べた。SIMSによる組成分析によれば拡散バリア性は良好であり、濡れ角測定、およびスクラッチ試験によれば、濡れ性と密着強度も良好な値が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の第一の目標としたリフロー埋め込みとバリア層形成を同時に実現することができた。また、そのメカニズムを明らかにできた。さらに、第二の目標とした化学気相成長法によるバリア層形成も実現でき、拡散バリア性と密着性が良好であることを示した。このように、当初目標を全てクリアしている。
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Strategy for Future Research Activity |
半導体技術ノードの15nm以降の世代を想定して、L/S=26 nmの配線パターンを有するlow-k基板を用いてリフロー試験を行い、完全な埋め込みとバリア層自己形成を実現するとともに、配線溝形成工程に形成される種々の表面ダメージをポーラスlow-k基板に導入して、バリア層が形成できる条件を確立する。得られた結果より、15nm世代以降の半導体多層配線において優れた性能を有する銅配線と拡散バリア層を形成するための材料と方法を提案する。
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Research Products
(12 results)