2010 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム解析とエピ遺伝学による反復配列動態制御機構の解明
Project/Area Number |
22227001
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
角谷 徹仁 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (20332174)
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Keywords | DNAメチル化 / クロマチン / トランスポゾン |
Research Abstract |
(1)ゲノムタイリングアレイを使うことにより、DNA低メチル化突然変異ddml (decrease in DNA methylation)やDNAメチル化酵素遺伝子の突然変異体でコピー数の増加するシロイヌナズナのトランスポゾンを複数同定している(Tsukahara et al Nature 2009)。本年度は、RNAi関連因子とddmlの二重変異体で増殖する因子を網羅的に調べた(Kobayashi et al未発表)。ddml下で転移するトランスポゾンの一つと配列の類似したトランスポゾンTal1は、シロイヌナズナの同属近縁種Arabidopsis lyrataでセントロメア領域に蓄積している。これがこのトランスポゾンの挿入部位特異性によるものかどうかを知るため、Tal1をシロイヌナズナに形質転換し、発現と転移を確認できた。転移部位の特異性について調べたい。また、別のトランスポゾンVANDAL21は、DNA型トランスポゾンであるMutatorrと類似の構造を持つが、両末端に逆位反復配列を持たない。このトランスポゾンをイネに形質転換したところ自律性因子として転移した(Fu et al論文準備中)。 (2)抑制クロマチンの目印であるヒストンH3リジン9のメチル化を除去する働きのある因子IBM1 (increase in BONSAI methylation)の突然変異体の解析結果にもとづき、この脱メチル化が転写に依存するという説を提案した(Inagaki et al 2010 EMBOJ)。
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