2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22227004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤吉 好則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80142298)
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Keywords | 水チャネル / ナトリウムチャネル / ギャップ結合チャネル / プロトンポンプ / アセチルコリン受容体 / 電子線結晶学 |
Research Abstract |
1.水チャネルの速い水選択的透過・ゲーティング機構の解明と生理機能研究 AQP4の構造解析に基づいて、細胞接着に寄与する部分を持たないAQP4だけを発現する遺伝子改変マウスを作製し、グリアルラメラの接着構造が消失していることを解明した。AQP11の水透過機能を確認した(J.Struct,Biol.,174,315-320(2011))。 2.Na^+チャネルのイオン選択機構の解析と、ゲーティング機構の解明 バクテリア由来のNa^+チャネルについて、変異体を作製して構造を安定化する変異体の解析を行った(J.Biol.Chem.,286,7409-7417(2011))。また、Na^+チャネルのC-末端部分がヘリカルバンドル構造をとり、不活性化の制御を行っていることを解明した(Nature Comun.,in press(2012))。 3.Cx26を中心とするギャップ結合チャネルの構造と機能解析 ギャップ結合チャネル、Cx26の変異体M34Aの構造解析の分解能を向上させて、複雑なゲーティング機構の一端を解明した(J.MoLBiol.,405,724-735(2011))。また、Crayfishのギャップ結合のトモグラフィー解析を行い、論文の表紙を飾った(J.Struct.Biol.,175,49-61(2011))。 4.AChRのゲーティング機構解明 アセチルコリンがAChRに結合してチャネルを開閉する機構を詳細に解明、論文を投稿した。 5.H^+,K^+-ATPaseの構造と機能解析 H^+,K^+-ATPaseの阻害剤SCHが結合した中間体の構造を解析して論文として発表した(Nature Commun.,2,155,pp1-7(2011))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)水チャネル、2)イオンチャネル、3)ギャップ結合チャネル、4)アセチルコリン受容体、5)プロトンポンプという5つの研究課題を計画したが、いずれも順調に研究が進捗している。まだ、論文として発表できていないが、電位感受性ナトリウムチャネルの電子線結晶学による構造解析で、2つの状態の構造を1つの2次元結晶中で解析することができるなど、当初期待したよりも高いレベルの成果が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は順調に推移しているので、この進捗を遅らせないように、更なる成果をあげると共に、研究成果を論文としてきちんと発表するよう努力する。
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Research Products
(17 results)