2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見した"ナチュラルヘルパー細胞"の機能解明
Project/Area Number |
22229004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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Keywords | サイトカイン / リンパ球 / 自然免疫 / アレルギー / 感染免疫 |
Research Abstract |
1)他のTh2サイトカイン産生細胞との比較 我々がNH細胞を報告した後に、Th2サイトカインを産生する類似の細胞が相次いで報告され、特にその中のnuocyteと名付けられた細胞は違いもあるもののNH細胞と共通点が多かった。しかし、NH細胞に発現が見られるCD25はnuocyteには見られず、nuocyteに発現するclass II MHCはNH細胞には発現しないなどの違いも見られた。また、nuocyteはIL-25単独に反応するが、NH細胞はIL-2存在下でのみIL-25に反応する。 2)NH細胞の分化経路 IL-33受容体欠損マウスにおいてもNH細胞の分化が見られ、IL-33はNH細胞の分化には必要ないと結論された。一方、IL-7が分化のどの段階に必要であるかを検討するために、ノックアウトマウスを導入し繁殖を始めた。 4)寄生虫感染における役割 NH細胞とnuocyteが異なる分化段階の細胞である可能性や一方が前駆細胞である可能性が否定できないことから、寄生虫感染におけるnuocyteとNH細胞の役割を検討した。しかし、野生型マウスにNippostrongylus brasiliensisを感染させて検討したが、NH細胞の増加は観察されたがnuocyteと思われる細胞を検出することはできなかった。さらに、T細胞やB細胞を欠損するRag2^<-/->マウスにコンジェニックマーカーを発現する野生型のNH細胞を移入した後にN.brasiliensisを感染させてもnuocyteと思われる細胞に変化することはなかった。
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