2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22240012
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
下条 誠 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90292474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正俊 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40212857)
明 愛国 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (50239456)
横井 浩史 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90271634)
鈴木 陽介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20582331)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | センサ融合・統合 / すべり覚 / 触覚センサ / 近接覚センサ |
Research Abstract |
ネット状回路網方式による多様な触覚情報の統合を図るアーキテェクチャの開発では,高速・省配線の特徴を持ち,近接から接触に係わる多様な検出素子を統合可能なアナログ回路網を開発した。このため3次元配置及び完全無死角を目的とした多段リング構造の開発,多様な検出素子の分布量を高速・選択的に計測するための選択方式の開発を行った。また本年度は,前年度開発した回路構成エレメント数の低減した新たなセンサ回路方式を用いて検出器の多角化を図り,検出素子として従来の感圧導電素子,フォトリフレクタ以外に,温度による人体検知が可能な赤外素子を用いた設計・試作・実験を行った。 高感度・高速に滑りが事前に検出できる初期すべり覚センサの開発では,センサの初期滑り検出アルゴリズムの開発,そのための基礎となる現象発生メカニズムの解明を行った。これまでに,各種実験条件において感圧素材が初期滑り状態で特異な信号成分を発生すること明らかにした。本年度は,滑り状態の誤検出に係る滑り以外の衝撃,振動による信号成分との分離アルゴリズムの導入・検証を行い,滑り検出確度の向上を図った。 また,試作した滑り覚センサを義手に実装し,評価実験を行った。既に前年度までに本課題で開発した,薄型高感度で初期滑りが検出できるセンサを義手に実装したが,本年度は,対象物の滑りに応じた把持力制御,柔軟物把持等の実証実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネット状回路網方式による多様な触覚情報の統合を図るアーキテェクチャの開発では,従来素子数nの増大に伴う,n二乗の配線数の増大が作成上大きな問題となっていたが,今回,センサ回路を再考しその簡略化を達成した。また微弱電流にも対応可能な新たなセンサ回路方式を開発し,赤外光検知など検出器の多角化に対応できた。この他,近接覚情報処理についても研究を進め,興味深い成果を上げた。この結果に対して計測自動制御学会SI2012で研究発表を行い優秀講演賞を受賞した。 高感度・高速に滑りが事前に検出できる初期すべり覚センサの開発では,検出原理の解明を進め,滑り検出確度の向上に目処をつけた。また,義手への応用では,把持実証実験を行い,その利用可能性についての基礎的実験を行った。本研究結果に対して,計測自動制御学会SI2012で研究発表を行い優秀講演賞を受賞した。 以上,研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの進展状況は良好であり,今後の研究計画は予定通り行う。 次年度は最終年度であり,研究の推進方策としては評価検証実験を主とする。 ネット状回路網方式による多様な触覚情報の統合を図るアーキテェクチャの開発では,複数の検出器を用いた多角化の実験,利用場面での実証実験を行う。 また,高感度・高速に滑りが事前に検出できる初期すべり覚センサの開発では,開発したすべり覚センサを義手に実装しての動作実証実験を行い,その利用可能性を検証する。
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Research Products
(21 results)