2011 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動・感覚経験の蓄積に基づく動作理解機能の構成論
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22240015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國吉 康夫 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10333444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長久保 晶彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (00357617)
原田 達也 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60345113)
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Keywords | 知覚情報処理 / 知能ロボティクス / 感覚行動システム / 実世界行動データベース |
Research Abstract |
人の動作は、その生成過程に、無意識の複数の感覚・運動協調が働いており、ある単一の目的を志向した最適な動作というよりは、複数の解釈が可能で多元的、冗長な動作を多く含む創発的過程である。ロボティクスの分野では、目的のエンドエフェクタの位置・姿勢が決まると、ある最適化された軌道を描くように制御がなされるのが一般的であるが、人の動作は、目的の動作を行いつつ、多様性含む。このようなロバストな動作生成原理を人の動作を計測・解析することで解明することが本研究の目的であり、そのために、人の動作とそれに伴う感覚情報を同時記録する計測装置を開発する。 超小型で柔軟な圧力センサをフレキシブル基板上の任意の位置に配置可能な技術を開発し、それを応用して片手1000点以上の圧力センサ素子を持つグローブの開発を行った。しかし、予備実験の結果、日常動作を行う際に感度が不十分であることがわかり、新たに高感度化の改良を行った。高感度化のために、1)製造工程における接着層の厚さを薄くすることで、電極と抵抗体との距離を短くする、2)抵抗体の厚さをさらに薄くする、3)圧力センサ1つ1つに突起を印刷する改良を行い、100g/cm2以下の感度を得ることに成功した。 手指の運動計測装置を新たに開発した。手の各リンクに装着可能な小型姿勢センサモジュールの開発、リアルタイム通信を用いたセンサデータの蓄積、オフラインでの運動再構成方法を開発した。 因果解析については、多次元時系列にも適用可能な因果指標を情報理論に基づいて統一的に定式化した。もっとも単純な線形な因果性を定量化する指標の定式化を行い、その定式化を基に非線形拡張を行った指標の定式化を行った。これによって、従来から提案されてきた様々な因果指標を情報理論に基づいたエントロピーの形で表現可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手指の触覚センサについて、想定していたよりもよいものができつつあるため、手指の運動について、当初計画よりより重視した実験を計画しているが、当初の予定通り、手指の運動計測装置を開発し、H24に予定していた因果手法の改良を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者実験を進め、人の自然な動作の計測を行い、行動データベースを構築する。H23に開発した因果指標を用いて、動作生成のメカニズムについて情報理論的に解析を行う。
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Research Products
(9 results)