2011 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送制御分子プロトルーディンの神経機能における役割の解明
Project/Area Number |
22240038
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
|
Keywords | 神経 / 細胞内輸送 / 低分子Gタンパク質 / シナプス / 高次脳機能 |
Research Abstract |
プロトルーディンは(Rab結合ドメイン+FYVEドメイン)という構造を有し、これは初期エンドソームの融合に関わる分子EEA1と類似した構造を取る。プロトルーディンのFYVEドメインは構造的に非典型的であり、PI(3)Pにはほとんど結合しないことが判明した。昨年までの研究でプロトルーディンのFYVEドメインは高い特異性を持って硫酸化糖脂質であるスルファチドに結合することを発見したが、さらにその後の解析からPI(5)Pとも結合することを明らかにした。さらにプロトルーディンを発現させた神経細胞株やトランスジェニックマウスを用いたプロテオミクス解析によって、その結合タンパク質を同定した。その中にPI(4,5)P2を脱リン酸化してPI(5)Pを産生する酵素であるTM55bが含まれていることが判明した。この結合はバリデーションスタディにおいても検出され、高い特異性を有していることが示された。さらにLong-term potentiation (LTP)シグナル依存的に働くPKCにより、protrudinによるPI(5)P制御作用が増強されることがわかった。その際、FYVEドメインの樹状突起スパインへの局在が強くなることを見いだした。これらのことからプロトルーディンはPI(5)Pとの関わりがあることが推定された。一方、上記プロテオミクス解析によってプロトルーディンはキネシン様モーター分子KIF5とも結合することがわかった。プロトルーディンはKIF5ともRab11とも結合し、その両者を仲立ちするアダプター分子であることが推測された。つまりプロトルーディンはKIF5のカーゴを連結するアダプターとして機能することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトルーディンが構成する大型の複合体の全貌がほぼ明らかになり、その機能解明が順調に進んでいる。特にスルファチドだけでなく、PI(5)Pとの結合がほぼ確定的になったのは大きな進歩であり、より一層の機能解明が待たれる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に推移してきており、特段研究計画の変更あるいは問題点等はない。今後も研究計画に沿って着実に研究を遂行する予定である。
|
-
[Journal Article] The Skp2-SCF E3 ligase regulates Akt ubiquitination, glycolysis, Herceptin sensitivity and tumorigenesis2012
Author(s)
Chan CH.,Li CF., Yang WL., Gao Y., Lee SW., Feng Z., Huang HY., Tsai KKC., Flores LG., Shao Y., Hazle JD., Yu D., Wei W., Sarbassov D., Hung MC., Nakayama KL., Lin HK.
-
Journal Title
Peer Reviewed
-
[Journal Article] p57 is required for quiescence and maintenance of adult hematopoietic stem cells2011
Author(s)
Matsumoto, A., Takeishi, S., Kanie, T., Susaki, E., Onoyama, I., Tateishi, Y., Nakayama, K., Nakayama, K. I.
-
Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 9
Pages: 262-271
-
-
-