2010 Fiscal Year Annual Research Report
時空間変調に基づく光-超音波融合高機能生体イメージング法の開発
Project/Area Number |
22240063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
椎名 毅 京都大学, 医学研究科, 教授 (40192603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 誠 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60344876)
戸井 雅和 京都大学, 医学研究科, 教授 (10207516)
新田 尚隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員 (60392643)
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / 生物・生体工学 / 医療・福祉 / 癌 |
Research Abstract |
光音響イメージングは、ともに非侵襲で簡便という特色を持つ超音波と光を利用することで両者の中間の空間分解能と測定深度をもち、光吸収の大きい血管等を高コントラストで観察可能なものとして期待され、近年、小動物でのin vivo計測も試みられている。しかし、現在の光音響イメージングの手法では、臨床においてCTのように全周にわたり信号を計測できない場合は、解像度や画質が低下する。また、光吸収強度の情報を得る以外には超音波イメージングの技術は活用されていない。本研究では、上記の観点から光と超音波技術を高度に融合させた高機能な光音響イメージング法を開発する。さらに、基礎実験システムを構築して臨床応用について基礎的検討を進めることを目的とする。 光音響法において、超音波イメージング技術を十分に生かすには、それに適した光パルスの照射法が必要と考えられる。また、光音響波の再構成に適した受信ビームフォーミングや信号処理を講ずることで、より高解像化が可能であり、また光吸収特性だけでなく、組織粘弾性等の性状情報や微小循環等の機能情報、血液酸素化度分布など新たな診断情報を抽出できることが期待される。さらに、形態診断に適した超音波像と機能画像としての光音響像との複合イメージングが可能になる。 初年度は、高機能光音響イメージングの要素技術として、様々な光パルス照射法を用いて超音波信号を変調させることで、超音波イメージング技術への適合性を高める方法について検討した。その一つとして、光パルス照射のタイミングを符号化して生成された符号化光音響信号を用いて、パルス圧縮とSN向上を図る方法を試み、シミュレーション解析と実験により有効性が確かめられた。
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