2011 Fiscal Year Annual Research Report
家庭内環境を考慮した女性3世代の食習慣と健康状態に関する栄養疫学的横断研究
Project/Area Number |
22240077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 敏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70275121)
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Keywords | 栄養学 / 社会医学 / 疫学 / 家庭 / 環境 |
Research Abstract |
本研究の実施のために、栄養関連学科研究ネットワークを構築し、北海道から九州までほぼ全国にわたる地域から85校の大学の参加を得て、その大学の新入生(ならびにその母と祖母)およそ7000人ずつを対象として4月に調査を実施すべく、2011年2月に新入生質問票一式(研究同意書を含む)を参加校に配布した。本来は85校すべてを対象とする予定であったが、調査予定の1か月前に東日本大震災が発生したため、調査の実施可能性ならびに期待されるデータの質の確保を考慮し、震災の被害ならびにその結果としての電力供給事情における問題がほぼなかったと考えられた西日本と北海道に属していた58校(当該学生はおよそ4500人)を対象として調査を実施した。その後、回答された質問票一式を各大学の分担研究者を通じて5月中に回収し、研究代表者の属する研究室に設置した研究事務局でとりまとめ、研究事務局にてあらかじめ決めておいた一定の規則にしたがってすべての質問票の回答内容を確認した。そして、再調査の必要を認めた質問票については、参加校を通じて学生に再調査を依頼した。10月をもってすべての調査がほぼ完了し、学生、その母、その祖母、それぞれ3272人、2673人、1593人から最終的な回答を得た。その後、データの入力作業を行い、食習慣質問票(自記式食事歴法質問票または簡易型自記式食事歴法質問票)および、その他の質問票共に12月までに入力がほぼ完了した。食習慣質問票から栄養価計算を行い、個々人の栄養素等摂取量を算出した個人結果帳票を作成し、参加校を通じて、12月中に参加者全員に返却した。一方、入力されたデータの内容確認を行い、解析に用いるためのデータセットを固定するための作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道から九州までほぼ全国にわたる栄養関連学科85校の参加が得られ、東日本大震災の発生という不測の事態に遭遇したにもかかわらず、そのうち震災の影響が軽微と考えられた58校(およその期待学生数4500人とその母・その祖母)を対象として調査を実施でき、それぞれ3272人、2673人、1593人から最終的な回答を得られたこと、そして、予定内に、再調査、データ入力、そして、参加者への養素等摂取量を算出した個人結果帳票の返却を終了できたことなど、すべて確実に計画どおりの進捗を得たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に調査を実施できなかった、東日本に属する27校は、すべての大学における学内調整を終え、昨年度に実施した大学とまったく同じ方法で(つまり、2つのデータを完全にまとめて解析できるように配慮して)2012年4月に調査を実施する予定である。当該校において期待される入学学生数は2500人であり、昨年度の実績から推定すると、期待参加数は、学生、その母、その祖母それぞれ1800人、1500人、900人である。回収された質問票の内容確認、再調査、データ入力、参加者への養素等摂取量を算出した個人結果帳票の返却などすべてを昨年度と同じように実施する予定である。さらに、本年度は2か年にわたったデータを1つのデータとして解析可能か否かなどの検討も行うことを予定している。
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