2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内膜系コンパートメントを介するがん増殖制御機構
Project/Area Number |
22240088
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 雅人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10177058)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 細胞増殖 / がん化 / リソソーム / mTORC1 / オートファジー |
Research Abstract |
我々が新たに同定したリソソーム膜アダプター蛋白質p18の細胞増殖制御における役割解明を目指した研究を継続して行った。p18はリソソームおよび後期エンドソームのラフトに限局して存在するアンカー分子であり、MAPK経路のMEK1およびmTORC1も活性化を担うRag GTPaseと複合体を形成することにより、それらの増殖シグナルを制御することが明らかになっている。これまでに、p18の欠損により細胞増殖能が著しく低下し、SrcやRasなどのがん遺伝子によるがん化に抵抗性を示すことを見いだしているが、本研究ではその分子機序の解析を行った。その結果、細胞周期制御に関わるCyclin Dやp27/p21の発現制御に関わる転写因子FOXO3aの発現や安定性、およびSGK1キナーゼによるリン酸化を介する核移行をp18-mTORC1が制御することを明らかにし報告した。また一方で、p18-mTORC1がリソソームの成熟過程の制御を担うことを見いだした。線維芽細胞の解析から、p18欠損により一次リソソームと後期エンドソームの融合が阻害され、エンドサイトーシスにより取り込んだ物質の分解が遅滞することが観察された。また、表皮特異的なp18欠損マウスでは、リソソームを介するオートファゴソームやグリコゲンなどの生体物質の分解不全が生じ、その結果、角質層への終末分化が進行しないことが見いだされた。これらの結果から、リソソーム上のp18-mTORC1経路が、細胞増殖のみならずリソソームの機能制御にも重要な役割を果たすことが明らかとなり、リソソームが細胞の恒常性の制御する中心的なシグナルプラットフォームとして機能することを報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
-
[Journal Article] Inhibition of NPC1L1 by ezetimibe activates autophagy in human hepatocyte and reduces mutant α1-antitrypsin Z deposition.2014
Author(s)
Yamamura T, Ohsaki Y, Suzuki M, Shinohara Y, Tatematsu T, Cheng J, Okada M, Ohmiya N, Hirooka Y, Goto H, Fujimoto T
-
Journal Title
Hepatology
Volume: 59
Pages: 1591-1599
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-