2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22240089
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30182306)
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Keywords | Fn14 / IL-13Rα2 / αVβ3インテグリン / ErbB-2 / 4-1BB / PD-1 / TIM-3 / MFG-E8 |
Research Abstract |
(1)TWEAKの受容体であるFn14が種々のヒトがん細胞に高発現していることを見出した。さらに、ヒト及びマウスFn14に対する抗体(ITEM-4)にゲロニン毒素を結合し、ヒト膀胱がんT-24を移植したヌードマウスにおいて毒性無く強い抗腫瘍効果を認めた。(2)ヒト中皮腫や肺がんにおいて、DNA脱メチル化剤(5-aza-dC)によってIL-13Rαn2の発現が増強され、抗IL-13Rα2抗体の抗腫瘍効果が高まることを見出した。(3)抗がん剤耐性のがん細胞においてはαVβ3インテグリンの発現が亢進しており、αVに対する阻害抗体が抗がん剤と相乗的な抗腫瘍効果を示すことを見出した。(4)マウス乳がんモデルにおいて、抗ErbB-2抗体の抗腫瘍効果はIFN-γ産生T細胞依存性であり、4-1BB(CD137)に対するアゴニスト抗体やPD-1に対する阻害抗体によって増強されることを示した。(5)B16メラノーマ担がんマウスにおいて、PD-1に対する阻害抗体がTRP2発現レンチウィルスワクチンの抗腫瘍効果を高めることを示した。(6)B16メラノーマやCT26大腸がんが産生するIL-18はNK細胞のPD-1発現を誘導して転移促進に働き、PD-1に対する阻害抗体によって転移が抑制されることを見出した。(7)WT3肉腫、MC38大腸がん、B16メラノーマ等を移植した担がんマウスにおいて、TIM-3に対する阻害抗体がIFN-γ産生T細胞依存性に抗腫瘍効果を発揮することを見出し、また、CTLA-4やPD-1に対する阻害抗体と相乗的に働くことを示した。さらに、メチルコラントレン誘発肉腫に対してもPD-1やTIM-3に対する阻害抗体が有効であることを示した。(8)MC38大腸がんや3LL肺がんにおいて、腫瘍内マクロファージが産生するMFG-E8が、がん幹細胞の維持と抗がん剤耐性及び樹状細胞の不活化に関わることを見出し、MFG-E8あるいはその受容体であるαVインテグリンに対する阻害抗体が単独あるいは種々の抗がん剤との併用で抗腫瘍効果を発揮することを示した。(9)腫瘍内樹状細胞に高発現するFoxo3はPD-L1を含む種々の免疫抑制分子の発現を増強しており、PD-1阻害抗体によってその免疫抑制が解除されることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん細胞を標的とする抗体としては、Fn14やIL-13Rα2に対する抗体の有用性を見出した。免疫系を活性化する抗体としては、HVEMやTIM-1に対するアゴニスト抗体を樹立し、その抗腫瘍効果を検討中である。免疫抑制系を阻害する抗体としては、抗PD-1抗体の広汎な有効性を示すとともに、新たにTIM-3やαVインテグリンに対する抗体の有用性を見出した。また、標準的な抗がん剤とこれらの免疫賦活化抗体の組み合わせの有効性を実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
抗DR5抗体とアジュバントの複合体作製については、直接的な修飾は抗体活性を損なう可能性があるので、protamineやpoly-arginineあるいはHMGB1といった核酸の担体とproteinGとの融合タンパクをアダプターとする方向で検討している。Fn14に対する抗体(ITEM-4)については、臨床応用に向けて、ヒト型化scFvと毒素の融合タンパクを作製している。新規標的としては、TIM-3やTIM-4に対する阻害抗体の抗腫瘍効果を検討するとともに、BTLA,CD160,B7-H4,CD39等に対する阻害抗体を作製中である。また、標準的な放射線療法と免疫賦活化抗体の組み合わせについても検討中である。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] IL-18 induces PD-1-dependent immunosuppression in cancer2011
Author(s)
Terme M, Ullrich E, Aymeric L, Meinhardt K, Desbois M, Delahaye NF, Viaud S, Ryffel B, Yagita H, Kaplanski G, Prevost-Blondel A, Kato M, Schultze JL, Tartour E, Kroemer G, Chaput N, Zitvogel L
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 71
Pages: 5412-5422
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Therapeutic potential of the TWEAK/Fn14 pathway in intractable gastrointestinal cancer2011
Author(s)
Yoriki R, Akashi S, Sho M, Nomi T, Yamato I, Hotta K, Takayama T, Matsumoto S, Wakatsuki K, Migita K, Yagita H, Nakajima Y
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Journal Title
Exp Ther Med
Volume: 2
Pages: 103-108
URL
Peer Reviewed
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