2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおけるエアロゾル数濃度の空間分布とその変動要因の解明
Project/Area Number |
22241002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹川 暢之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (00324369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 真 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (00225343)
高見 昭憲 国立環境研究所, 地域環境研究センター, 室長 (00262030)
櫻井 博 産業技術総合研究所, イノベーション推進企画部, 企画主幹 (50392618)
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Keywords | 環境分析 / 気候変動 / 大気現象 / エアロゾル / アジア |
Research Abstract |
1.装置性能の評価および改良 ナノ粒子の高感度計測が可能な凝縮粒子カウンタ(CPC)(TSI社3776型:粒径2.5nm以上)の性能評価を東大先端研及び産総研において実施した。低圧条件で安定に動作するように流量制御系に改良を施すとともに、操作を全自動で行うためのソフトウェアを開発し、航空機観測仕様として完成させた。さらに、低圧インパクタとCPC(TSI社3772型:粒径10nm以上)を組み合わせたシステムを開発し、航空機観測仕様として完成させた。 2.地上および航空機観測の準備・実行 (1)辺戸岬ステーションにおいて広範囲粒径分布測定装置(WPS)およびエアロゾル質量分析計(AMS)を用いた地上観測を実施した。拡散ドライヤによりサンプル空気を乾燥させることのできる粒子乾燥インレット管を導入し、性能評価を行った。 (2)航空機観測データの解析を迅速に行うために3次元化学輸送モデルの整備を実施した。新粒子生成および凝集・凝縮成長を効率的に表現できる最新のパラメタリゼーションを導入し、過去の地上観測データを用いてエアロゾル数濃度の感度実験を行った。さらに、平成21年度に実施した航空機観測データを用いて、ブラックカーボン粒子の除去過程や新粒子生成が数濃度分布に及ぼす影響について解析を行った。 (3)平成24年2月に名古屋を拠点として新たに航空機観測を実施した。CPC3776と3772を搭載し、時間分解能1秒で粒子数濃度を測定することに成功した。また、CPC以外にレーザー誘起白熱粒子検出器(SP2)と雲-粗大粒子計数装置(CAPS)によるエアロゾル数濃度測定も実施した。当該年度は主として自由対流圏で得られたCPCデータの高度分布について初期解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
航空機搭載用CPCの開発、地上観測の実施、3次元化学輸送モデルの整備は交付申請書の予定通り実行した。航空機観測については気象条件等を考慮して実施期間を若干変更したが(平成24年3月→2月)、おおむね予定通り進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
地上観測に関しては、粒子乾燥インレット管の実大気環境における性能評価とデータ解析を重点目標とする。航空機観測に関しては、3次元化学輸送モデルを用いた詳細な解析を重点目標とする。得られた成果について年内に国際誌に投稿することを目指す。
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Research Products
(7 results)