2012 Fiscal Year Annual Research Report
アイスコアに刻まれた十~千年スケールの宇宙線強度変動と地球環境変動
Project/Area Number |
22241003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 浩之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60313194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹 公和 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 准教授 (20312796)
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (00344614)
柴田 康行 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, その他 (80154251)
村松 康行 学習院大学, 理学部, 教授 (70166304)
本山 秀明 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20210099)
川村 賢二 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90431478)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 宇宙線イベント / 環境変動 / 古気候 / アイスコア / 加速器質量分析 / 宇宙線生成核種 / ベリリウム10 / 塩素36 |
Research Abstract |
本研究では、南極ドームふじより採取された過去72万年間をカバーするアイスコア試料中の宇宙線生成核種10Beおよび36Cl濃度を測定した。平成24年dのは、ドームふじアイスコアを対象に、アイスランドベーズンエクスカーションを網羅する17~20万年前のベリリウム10分析を行った。その結果以下の事実が判明した。1)約18.5~19万年前に明瞭なベリリウム10増大を発見した。2)約1万年、4千年、及び1.8千年の周期的な宇宙線強度変動を見出した。3)このうち約1.8千年の周期変動は、太陽活動変動に由来する可能性が高いことを明らかにした。 また、南極ドームふじアイスコアに含まれる空気のO2/N2比を測定し、ドームふじにおける夏期日射量曲線とを対比することにより、気候変動の影響を受けない軌道要素チューニングを行い、正確なコア年代を構築した。さらに、南極ドームふじアイスコアから酸素同位体、イオン、ダスト、微生物の古環境プロキシデータを取得し、データセットを整備した。 3年間の測定の結果を総括し、以下の知見を得た。すなわち、南極アイスコア中の10Beの変動は、グローバルなイベントの記録となっていることが証明された。すなわち、アイスコア中の10Beの記録を利用することにより、従来年代指標として広く用いられていた古地磁気記録と相補的に、より信頼性の高い年代指標を確立する道が拓けた。また、アイスコア中の36Clも宇宙線変動の記録として有用であることが分かった。10Beと36Clは生成断面積の宇宙線エネルギー依存性が異なるため、両者の組み合わせにより、宇宙線エネルギースペクトルに関する情報も得られる可能性も予見された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)