2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間・細胞内ネットワークに注目した環境汚染物質によるアレルギー増悪機構の解明
Project/Area Number |
22241015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高野 裕久 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60281698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 健一郎 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20373219)
小池 英子 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (60353538)
柳澤 利枝 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (70391167)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞間ネットワーク / 細胞内ネットワーク / 環境汚染物質 / アレルギー / メカニズム |
Research Abstract |
本研究では、疫学や動物モデルを用いたこれまでの研究によりアレルギー疾患を増悪することが明らかにされている環境汚染物質を主対象とし、アレルギー増悪影響においてkey roleを担う免疫担当細胞および細胞内分子とそのネットワークを明らかにすることを目的としている。細胞は、複数の免疫担当細胞より構成される脾細胞を使用し、MACSを用いた磁気細胞分離法により、特定のT細胞や抗原提示細胞(B細胞、マクロファージ、樹状細胞)を単離または除去した後、実験に使用した。これまで、ベンゾ[a]ピレン (BaP)やフタル酸エステル(フタル酸ジエチルへキシルとフタル酸ジイソノニル)の影響について検討し、当該化学物質によるT細胞の活性化にはB細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞を介した相互作用が重要である可能性を見出している。 本年度は、脾細胞の活性化分子の増加に寄与するシグナル伝達系について検討したが、当該化学物質による影響は軽微であった。一方、作用機序として、これまでに、抗原提示細胞の活性化を介したT細胞の活性化亢進の可能性を見出していることから、それを詳細に検証するため、脾細胞からT細胞のみを単離し、抗CD3/CD28抗体を用いて、抗原提示細胞からの一定の刺激を模擬した条件下で、化学物質の影響を検討した。その結果、BaP等の化学物質は、抗CD3/CD28抗体の非存在下では影響を及ぼさなかったが、抗CD3/CD28抗体の刺激下ではT細胞のCD69の発現やサイトカイン(IL-2, IL-4等)の産生、細胞増殖を顕著に促進した。これより、当該化学物質は、T細胞上のCD3/CD28を介した抗原提示細胞からのシグナルを増強することにより、T細胞を活性化する可能性が示唆された。また、これには、抗原提示細胞由来の液性因子やCD40Lなど他の分子を介した抗原提示細胞との相互作用は必須ではなかったが、抗原提示細胞の存在によって、よりT細胞の活性化が促されることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)