2010 Fiscal Year Annual Research Report
低次元構造集積による酸化物ナノチューブへの革新的環境・エネルギー創成機能の集約
Project/Area Number |
22241017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関野 徹 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20226658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠瀬 尚史 香川大学, 工学部, 准教授 (60314423)
佃 諭志 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (00451633)
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Keywords | ナノ材料 / 環境材料 / 太陽電池 / 酸化物ナノチューブ / ナノハイブリッド / 光触媒 / 機能共生 / 光化学機能 |
Research Abstract |
酸化チタンなど酸化物からなる低次元特異構造を有するナノチューブ材料に関し、高効率エネルギー創製システムや高次環境浄化光触媒システムへ適応しうる次世代型環境機能集約型材料へと深化することを目的として、その構造を原子・分子・ナノレベルで設計・制御する合成プロセスの最適化ならびに材料創製と基礎物性・機能評価を行い、以下の成果を得た。 1.化学的合成プロセスの検討を行い、出発原料結晶サイズの制御で直径を10~35nm程度に、溶媒混合比の制御でアスペクト比を100~15と制御したチタニアナノチューブ(TNT)の創製に成功した。 2.多様な元素(Sn,Sm等)を固溶したTNTの合成に成功した。更に純粋なTNTに多様な元素陽イオンを吸着させ、熱処理することで、ナノ複合型TNTが得られる事を明らかにした。 3.サイズ/形態制御したTNTを用い、10μm程度の膜厚を持つTNT膜を成膜することに成功した。更にナノサイズチタニアとの多層膜形成プロセスの最適化条件を得た。 4.TNT膜の電気的性質を調査し、熱処理によりチューブ同士の接触状態が向上することで導電性が向上すること、これは低次元ナノ構造に由来した粒子接触点の低減とTNT自体の結晶性変化に由来していると考察した。 5.サイズ制御型TNT膜を光電極として用いた増感型太陽電池セルを構成して発電特性について調査し、TNT直径やアスペクト比に依存して効率が変化すること、これらに最適値があることを見いだした。また、多層型電極の場合、セル内光散乱効果により単相膜より効率が向上することを見いだした。 6.固溶型TNTでは固溶イオン価数に基づく電荷効果により、分子吸着能が向上することを見いだした。
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Research Products
(28 results)