2011 Fiscal Year Annual Research Report
食を基盤としたナノーマクロハイブリット多孔体を用いたゲートマテリアルの基礎研究
Project/Area Number |
22241021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 秀輝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10396468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 憲 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00209248)
西尾 浩一 福井工業大学, 工学部, 講師 (30550561)
横山 和成 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 上席研究員 (40191514)
松原 秀彰 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (90167651)
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Keywords | シリカ湿潤ゲル / ナノ-マクロ多孔体 / ゲートマテリアル / ウレタン発泡多孔体 / 土壌微生物多様性 / 計算機シミュレーション / 気孔間隔壁強度 / インハウス・ファーム |
Research Abstract |
シリカを主成分とする湿潤ゲル、および、多孔質ウレタンを主成分とする素材から作製した含水材料を人工土壌として用いて、細菌の繁殖状況を評価した。その結果、シリカ湿潤ゲルは多様な細菌群集保持機能を有し、食物栽培用人工土壌として高い可能性のあることを明らかとした。ただし、水の流入・流出を考えると、今回の孔径(約20nm)よりも大きな孔径を有するシリカ湿潤ゲルの合成が今後必要である。また、計算機シミュレーション手法を用いて多孔体構造の三次元構造解析を行い、各種構造因子を定量化(変化)する設計技術を開発した。多孔質ウレタン素材に関しては、発泡に新しい概念を導入することで気孔間隔壁強度を変更できる方法を開発し、具体的な実証試験を準備している。また、合成時に加えるハイブリッド粒子の種類、粒径、粒度分布、粒形を変化させ、さらに、ポロシティの制御を行うことで、種子が発芽し、その根が充分に貫通できる硬度を有するゲートマテリアルを得る事に成功した。さらに,植物に適した吸水力、保水力の制御を行い、完成度を高めている。 本研究の基本コンセプトは、多孔体に微生物の多様性を担持、それを長期的に維持できるかという点であるが、この点に関しては、上記の素材は担持・維持に関し良好な結果を呈し、またその定量的な測定方法も明らかにすることが出来た。ただし、現段階では多孔体と微生物の相互関係の評価のみであり、これに具体的な植物が関与した場合の評価方法については新たな方法の検討を開始した。 本年度後半からは、このような多孔体を用いて、実用化-例えばインハウス・ファーム(屋内農場)を視野に置いた、新しい屋内農業についてのアイデア展開も並行して進めた。多孔体の特性から高層住宅用水田やロボットプランターなどのコンセプトを作りCGを用いた視覚化に取り組んだ。屋内農業を行う道具や家具をデザインし、それらを配置した住環境のイメージを制作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、多孔体の気孔径と微生物の多様性維持の関連性評価に、相当の時間が掛るものと考えていたが、その評価が予定より早く進捗し、最適な気孔径水準のいくつかを明確にできた結果、進捗は予定より進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、学術的には、ゲートマテリアルの気孔径と微生物多様性の維持の関わりを明確にし、最適な気孔を用いた場合の微生物多様性の時間変化に対する考察を行う。 また、実証試験として、インハウス・ファーム(家庭農場)への具体的な展開を考える。実証試験には、微生物多様性だけでなく、光量や温度などの他の因子も影響するが、これらについても重要因子として取り扱い、具体的な食への展開を考える。
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Research Products
(39 results)