2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元自己組織化量子ドット超格子の物性制御と高効率太陽電池応用
Project/Area Number |
22241035
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 至崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40224034)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 隆 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10221186)
赤羽 浩一 (独)情報通信研究機構, 光ネットワーク研究所・光通信基盤研究室, 主任研究員 (50359072)
|
Keywords | 量子ドット / 自己組織化成長 / 量子ドット超格子 / 太陽電池 / 中間バンド型太陽電池 / 超高速光分光 / 高速キャリア緩和過程 |
Research Abstract |
本年度は、高効率太陽電池の実現に必要な高密度自己組織化量子ドット超格子の作製、及び量子ドットへの直接ドーピングによる中間バンド準位のフェルミエネルギー制御の検討を行った。まずGaNAs化合物材料を歪み補償中間層として用い、InAs量子ドットをGaAs基板上に多層にわたって自己組織化成長させる技術の開発と最適化を行った。またInP(311)基板上におけるInAs量子ドット形成の高密度化について詳細な検討、および最適化を行った。歪補償法を用いた自己組織化InAs量子ドットの多重化の最適化を行い、300層の積層構造を結晶品質の劣化なく作製することに成功した。この積層数、および量子ドット密度は世界最高値である。さらに歪補償法を応用して異なるサイズの量子ドットを一つのサンプルに積層する構造を作製し、光吸収により形成されたキャリアがどの程度移動できるかを調べることのできるサンプルの作製に成功した。本構造を詳しく評価することにより、高効率太陽電池作製のためのキャリア移動に関する重要な知見が得られるものと考えられる。一方、量子ドット超格子内に形成された中間バンドにおいて光キャリアがどのような過程を経るのかという点について、時間分解分光法等によってサブピコ秒の分解能で追跡し解析を行った。その結果、連続的に励起した量子ドット中間バンドの再結合損失が赤外超高速パルス光照射によって抑制され、強励起下では中間バンドから伝導帯へ光励起できることを見出した。
|