2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22242007
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
藤幡 正樹 東京藝術大学, 大学院・映像研究科, 教授 (60229028)
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Keywords | 芸術諸学 / 絵画 / 描画ツール / デジタルメディア |
Research Abstract |
描画行為者の「描画過程マトリクス」における遷移の記録と観察、過程にある視覚や知覚の問題の観察のための実験装置の設計と実験観察、さらにそれらを「描画過程マトリクス」として統合してゆくというプロセスで研究は進めた。 描画における創造性のありかを「描画過程マトリクス」をもとに検証し、さらに必要な情報を抽出するための、実験設計について議論し、実験装置を完成した。 その装置をもとに、東京藝術大学という描画行為の実践者を育成する大学という利点を活かし、錯視効果等、視覚心理学の研究の知見を踏まえ、描画行為の創造性の根源的な意義を検証した。具体的には、描画のスキル(手指巧緻性)の習熟度を、タブレットお絵かきソフトに基づく実験装置を通じたデータ収集に基づいて、基礎研究とし、以下の3点についての分析作業を開始した。 1.イメージの生成や補完が、ヒトが描くことの基盤としてある。 2.描くことはイメージを共有することである。 3.写実的に描く段階では、逆に今見えている物のイメージの解体が関わっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験装置の開発、調整に当初の予定以上の時間をあてたため、若干の遅れが見られたが、データの分析作業等、迅速に対応し、24年度の研究計画は当初予定のとおり進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、これまでに蓄積してきたデータ分析を迅速に行い、論文等の形式で「描画過程マトリクス研究」「描画行為研究」「油画描画研究」を集約的に発表する予定である。
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