2012 Fiscal Year Annual Research Report
「東洋」的価値観の許容臨界:「異質」な思想・藝術造形の国際的受容と拒絶
Project/Area Number |
22242008
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
稲賀 繁美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40203195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戦 暁梅 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 准教授 (00401521)
テレングト アイトル 北海学園大学, 人文学部, 教授 (10316234)
林 洋子 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (30340524)
藤原 貞朗 茨城大学, 人文学部, 教授 (50324728)
李 建志 関西学院大学, 社会学部, 教授 (70329978)
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80334613)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | オリエンタリズム / 東洋学 / 東西交渉史 |
Research Abstract |
平成24年度には、研究報告論文集として『東洋意識:夢想と現実のあいだ』(ミネルヴァ書房、本文540頁+添付資料)を刊行した。本論集は具体的には5部構成からなり、1.東洋人の自意識、2.東西価値観の相克、3.西欧の学術としての東洋学、4.東洋美学の桎梏、5.経営事業としての東洋の5部からなる。これは交付申請書に列挙した5点の課題にそれぞれ対応するものである。意義としては、従来、専門とされる対象領域分野ごとの研究史にとどまっていた知見を、東洋人の西欧体験、西欧側の東洋認識、さらに両者の衝突と相克、とりわけ感性的な価値観における対立の克服への努力、さらには植民地政策下での事業とのかかわりという観点にわたり、総合的、国際的、学際的に探求し、近代における東西の相互認識の進展とそこに孕まれる問題を浮き彫りにした。これは、従来の研究が、西欧の学術精度に沿った分野分類に添って東洋を腑分けし、あくまで西洋側の理論や認識装置によって東洋を分析してきた限界を露呈させる意義を含む。と同時に、東アジアに限定しても、日本、韓国、中国とそれぞれ独立して西欧の価値観と対峙してきた経緯に横断的な反省を加え、日本とヴェトナムをも含む近隣諸国および西欧の関係を三角測量の視点によって立体的に解明した点に意義と重要性とを認めうる。 交付申請書に記載した「研究の目的」は、本論文集および、研究分担者、研究協力者によって刊行された関連する業績によって、着実に達成された。また「研究実施計画書」との関連に関する詳細は、本研究報告論文の序文に、方法論的な観点からその理由を述べ、また巻末で各々の業績に関してそれらの相互連関を踏まえた要約を記載している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)