2011 Fiscal Year Annual Research Report
中世宗教テクスト体系の綜合的研究-寺院経蔵聖教と儀礼図像の統合
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22242009
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 伸道 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70135276)
末木 文美士 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90114511)
落合 俊典 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (10123431)
松尾 恒一 国立歴史民族博物館, 研究部, 教授 (50286671)
上島 享 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60285244)
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| Keywords | 国文学 / 日本史 / 宗教学 / 美術史 / 宗教テクスト学 / 寺院経蔵・聖教 / 目録学 / 絵伝・絵巻・絵本 |
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| Research Abstract |
○真福寺大須文庫調査研究会を基盤に、栄西著作ワーキング・グループ(WG)および中世禅籍スタディ・チーム(ST)により、『中世禅籍叢刊』の刊行計画を確定し、公刊に向けて調査と研究打ち合わせを行った。その結果、平成24年度中の刊行態勢が整った。
○調査研究会を基盤として、名古屋市博物館主催・名古屋大学文学研究科共催の「大須観音展」(平成24年12月予定)実施のため準備会合を重ね、展示と図録の基本構想を定めた。
○調査研究会は、文化庁補助による、真福寺宝生院の大須文庫改修事業に協力し、文庫資料全点の点検を行い、リストを作成した。この過程で多くの知見を得て今後の調査研究の指針となった。
○宗教的身体STは、ロンドン大学のドルチェ教授と2011年8月EAJS第13回タリン大会において「中世の宗教的身体観」をテーマとしたパネルを開催し、多数の参加者を得た。また、サンクトペテルブルク東洋大学で日本文化セミナーを催した。
○南都聖教STは、STリーダーの科研と共同し、2011年5月ロンドン大学SOASにて国際ワークショップ「ことば・ほとけ・図像」を開催し、研究代表者が全体の総括報告を行った。
○経蔵目録WGと勧修寺目録作成WGは、WGリーダーの科研と協同し、勧修寺大経蔵聖教目録を公開する為の点検を行った。更に富士市博物館で旧東泉院聖教の目録作成を行い、神道テクストSTも連携して、含まれる神道資料を目録化した。
○文観著作聖教および図像について高野山で調査を行い、7月には文観聖教に関する研究集会を開催した。
○唱導文献WGと儀礼テクストSTは、STリーダーの所属する国立歴史民俗博物館との共同研究「中世における儀礼テクストの総合的研究」の成果報告を年報に掲載するため、原稿を年度内に完成させた。
○儀礼テクストWGは、城端別院虫干法会の調査と聖徳太子絵伝絵解き実習を7月に行い、2012年2月に「城端絵解きフォーラム」を地元で開催し多数の参観を得た。また、奥三河花祭に伝承される宗教テクストについて、文化庁の継承事業と連携し「花祭アーカイヴス」の記録調査を開始した。
○大画面説話画等宗教図像調査のため、米国メトロポリタン美術館とシカゴ美術館へ調査に赴いた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
各WGおよびSTの調査・研究は、全体として予定通りの進展を示し、計画したプロジェクトも順調に実施できた。その上で、研究成果を発信する機会としての研究集会等を、国際学会も含め予定した以上に多く開催することができた。それらの反響は大きく、学界以外でも社会的関心を集めつつある。また、本科研が軸となって、分担者等の複数の科研や共同研究と連携して、より学際的で多角的な研究へ展開し、相乗効果を挙げていることは、特筆すべき達成といえよう。
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| Strategy for Future Research Activity |
・最初に設立した真福寺大須文庫調査研究会を一層活用し、機能させるべく、関連するWG・STをこの組織を通して活動するよう科研を運営する。
・「大須観音展」や愛知県史編纂事業などとの連携によって、各WG・STの研究成果の統合と、その社会還元の実質化を図る。
・「花祭アーカイヴス」を本格的に設立することにより、文化庁の文化財保存・継承事業との連携など、従来にない形態の研究による社会貢献に積極的に取り組む。
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