2012 Fiscal Year Annual Research Report
比較史的観点からみた日本と東アジア諸国における都城制と都城に関する総括的研究
Project/Area Number |
22242019
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 教授 (60164802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 達彦 中央大学, 文学部, 教授 (20163074)
馬 彪 山口大学, 人文学部, 教授 (20346539)
新宮 学 山形大学, 人文学部, 教授 (30162481)
山中 章 三重大学, 人文学部, 特任教授 (40303713)
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
林部 均 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (70250371)
桑野 栄治 久留米大学, 文学部, 教授 (80243864)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東アジア / 都城制 / 比較史 |
Research Abstract |
本年度は、これまで二年間行って来た国際共同研究の成果を国際会議で問うとともに、海外都城遺跡の踏査を継続して行った。 I 国際会議の開催 (1)国際会議開催に向けた研究打ち合わせと研究会を2回開催し、日程と内容(海外招請研究者の人選を含む)、役割分担などを確定した上で、国際会議を成功に導くために、報告・発表される研究成果について事前に検討を行った。(2)国際会議は、日程を平成25年1月5・6日の二日間とし、二部構成で開催した。第一部では、東アジア都城研究の現状と課題について、日中韓の研究者による研究発表と討議を行った。第二部では、研究代表者・研究分担者らがこれまでの東アジア都城と都城制に関する比較研究の成果と今後の課題について報告を行い、 討議を展開した。この二日間で延べ180名の研究者が会議に参加し、研究発表と討論を行っただけでなく、研究交流も行った。 II 都城・都市遺跡の踏査 (4)研究代表者と研究分担者を主とした東アジア都城遺跡の踏査について、本年度は中国で2回の都城遺跡調査を行った。1回は西安で、新しい発掘調査成果があがりつつある秦の雍城跡を中国社会科学院考古研究所と陝西省考古研究院の協力で実施した。もう1回は河西廻廊に点在する都城とそれに関連する城砦の遺跡を、西安から烏魯木斉まで自動車走行によって実施した。これには中国社会科学院考古研究所だけでなく、甘粛省文物考古研究所や新疆ウイグル自治区文物研究所などの協力を得、中国社会科学院考古研究所の研究者と海外研究協力者である韓国人研究者も参加して国際的な共同調査が実現した。その成果の一部(本踏査中に撮影された都城遺跡の写真200枚あまりと解説など)をHP(http://www.toa-tojo.com)上で公開した。(5)また、西方の都市遺跡の調査として、チュニジア所在のカルタゴおよびローマ時代の都市遺跡の踏査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、研究遂行上、大きな研究計画を二つ掲げていた。 一つは、都城・都市遺跡の調査として実施した中国・河西廻廊に点在する都城とそれに関連する城砦や石窟寺院などの踏査である。一昨年度から中国・西安を訪れる度に、この調査を実現し、かつ成功させるために、中国社会科学院考古研究所の西安研究室と綿密な打ち合わせを行ってきた。また、実際の踏査においても考古研究所の協力を得、海外研究協力者である劉振東研究員・教授の全行程同行が実現した。さらに、甘粛省および新疆ウイグル自治区の文物考古研究所らの全面的協力も得られ、調査が困難な遺跡などについても見学が実現した。なお、この踏査にはやはり海外研究協力者である韓国忠南大学校の朴淳發教授も同行し、日中韓三カ国の研究者による共同調査が実現したことは研究交流は勿論、人的交流の点でも大変意義深い。 二つは、これまで行ってきた国際共同研究を、都城研究者は勿論、一般の方々にまで公開する研究会として、国際公開研究会「東アジア都城比較の試み」を開催したことである。平成25年1月5・6両日、中国・韓国から4名の研究者(うち1名は海外研究協力者)を招き、二日間で180名を超える研究者や大学院生・留学生らが、日本全国から集まっただけでなく、さらに韓国の都城研究者も来日し、都城研究、特に比較研究を行った成果の報告と討論を展開できたことは、研究成果の社会への還元あるいは国際的貢献の点で大きな成果であったと考える。 さらに、この二つの研究計画を推進する上で、研究成果の公開・還元と効率的な研究経費の使用とに務めることを念頭におき、踏査に必要な資料や研究会での発表資料を全てWeb上で配布し、また紙媒体を用いず安価なUSBメモリーでの配布を実験的に行ったが、特に大きな混乱もなく、踏査と研究会を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで3年間に行ってきた研究組織とその運営を維持・継続し、最終年度の研究を推進して行きたい。そのために、これまで行ってきた海外研究協力者も含めた共同研究会を開催するとともに、未調査の中国都城遺跡の踏査も継続し、研究分担者・連携研究者・研究協力者の協力・信頼関係をさらに確固としたものとしたい。その上で、今後長きに亘る都城研究の国際的研究協力関係を、研究組織および参加研究者個々で構築して行きたい。 一方、HP上での研究会の様々な情報発信、特に踏査時に撮影された多くの貴重な写真などをいち早く公開することに努めて行くとともに、可能な限り効率的な経費の使用を目指して行きたい。
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Research Products
(36 results)
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[Presentation] 北京外城の出現2013
Author(s)
新宮 学
Organizer
国際公開研究会「東アジア都城比較の試み」
Place of Presentation
キャンパスプラザ京都(京都市)
Year and Date
20130105-20130106
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