2012 Fiscal Year Annual Research Report
フィールドワーク方法論の体系化―データの取得・管理・分析・流通に関する研究―
Project/Area Number |
22242027
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 祐司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (30182140)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 清海 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00166662)
森本 健弘 筑波大学, 生命環境系, 講師 (20282303)
兼子 純 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40375449)
呉羽 正昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50263918)
松井 圭介 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60302353)
仁平 尊明 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (60344868)
山下 亜紀郎 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60396794)
田林 明 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70092525)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | フィールドワーク / GIS / 実証研究 / 人文地理学 / 地域調査 / 地誌学 / GPS / 体系化 |
Research Abstract |
1)人文地理学における個別調査およびグループ調査を対象し,研究/教育に応用できる「転移性」と「通時性」を念頭に地域調査手法の一般化を試みた.系統地理学では,とくに,観光地理学,農業・農村地理学,都市地理学に焦点を当て,地域調査法の共通性と固有性を探った.海外地域研究においては,中国とブラジルを対象に,地域特性に応じた調査手法やデータ取得方法を考究した.2)アンケート・聞き取り調査などによって得られた地理情報を時空間データベースとして管理し,即座に空間可視化や空間分析を行えるGISソフトウェアの試作版を構築した.そして,筑波大学及び周辺地域を対象に,フィールドワークにより定性・定量データを網羅的に収集し,それらに位置情報を付与して空間データベース化を図り,構築したシステムの有効性を検証した.取得したデータは逐次追加されていくので,アーカイブとして残すことが可能になった.また,データは,取得した時間が付与されるので,時間軸を加えた時系列解析が容易である.3)大学教育における効果的なフィールドワーク方法論の教授法を探った.個人およびグループによる地域調査の意義や方法,手順,成果の公開方法などについて検討した.その成果の一部は,人文地理学研究33号(2013年)および地域研究年報35号(2013年)に報告として掲載した. 4)本研究の遂行にあたって分担者間で定期的に会合をもつとともに,今年度は計5回の公開セミナーを実施した.今年度の研究成果は,ウェブ上で公開した(http://giswin.geo.tsukuba.ac.jp/sis/project/fieldgis/home_j.htm).また研究成果を関連学術雑誌に投稿した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
取得した地理情報の取得,保管,分析,流通を図るためにWebGISの試作版を構築したが,その有効性が確認できた.さらに各専門分野におけるフィールドワーク方法論のホワイトボックス化についても着実に成果を収めており,本研究はおおむね順調に進展している.ただし,フィールドワークによりデータを取得後,直ちにWebGIS化し,調査者間でデータを共有しながら,リアルタイムで分析結果を解釈可能にするGISシステムの開発は,当初計画では,平成24年度と25年度にまたがって実施する予定であった.しかし,実証実験をシームレスに行うには連続して実施するのが適切と考えられるので,調整金制度を活用して25年度にまとめて実施することにしたい.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究実績を踏まえ,次年度の研究計画を着実に遂行し,当初の予定通りの研究成果を挙げることを目標とする.事象に着目する系統地理学と地域を固定する地誌学ではフィールドワークの方法に違いが認められるので,両者の方法論的な差異を意識しながら分析を進める.系統地理学では,農業・農村,都市・交通,観光・文化などに焦点をあてる.さらに,3 年間進めてきたフィールドワークの方法論を体系化して,データを系統的に取得・蓄積・管理・分析・可視化・伝達する汎用的方法を明示する.実証実験を通じて地理空間データの共有化の仕組みやあり方を提示したい.研究の成果は専用のWeb ページで公開し,専門家のフィードバックを得ながら本研究のさらなる進展を図る.平成26 年3 月には,4 年間の研究成果を取りまとめて研究成果報告書を作成する.
|
Research Products
(44 results)