2010 Fiscal Year Annual Research Report
個人情報保護に対応した犯罪被害調査の開発に関する研究
Project/Area Number |
22243006
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
津島 昌弘 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (60330023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜井 浩一 龍谷大学, 大学院・法務研究科, 教授 (60373106)
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Keywords | 犯罪学 / 社会調査法 / 被害者学 / 刑事政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現代社会に対応した新たな犯罪被害調査(ネット調査の可能性)を開発することである。また、警察等の公的機関に依存することなく、犯罪発生状況を正確に把握するとともに、犯罪発生の背景要因や住民の犯罪不安、刑事司法機関にたいする意識などについての情報を収集し、それらを検証することである。そして最終的には、科学的根拠に基づいた刑事政策の基盤となる統計資料を提供することにある。 本研究は、(1)調査の実施方法・調査媒体に関する研究、(2)調査の実施および結果の比較、(3)犯罪被害調査のあり方について検討・成果の公表、の3段階で実施する。本年度は3年計画の初年度にあたり、(1)調査の実施方法・調査媒体に関する研究を遂行した。 具体的には、近年の大規模社会調査の実施状況を把握するため、大学・研究機関の調査企画者や調査実施会社にたいして聞き取りを実施した。その中には、イギリスなど調査先進国における社会調査の取組み(犯罪被害調査の実施方法や回収率確保にむけての努力、最近関心を集めているテーマなど)についての海外調査もふくむ。これらの聞き取りや海外調査については、研究分担者と共同しておこなった。 以上の情報に基づいて、研究分担者と相談して、今回の犯罪被害調査の調査媒体・調査対象者とサンプル数・調査時期など、具体的な実施方法を決定した。また、調査内容(設問)については、研究分担者・連携研究者と検討を重ね、それを受けて、調査票を作成した。さらに、2011年8月の国際犯罪学会(神戸)にて、海外協力者とともに、本研究の背景と意義、調査結果(主に犯罪被害)の概要を報告することが決定している。 *本調査で用いる調査票の一部、刑事司法機関にたいする意識の設問は、現在EUで実施されているEuropean Social Survey(ESS:欧州社会調査)のTrust in Justice(司法にたいする信頼)のモジュールを採用することに決めた(ESSの責任者と合意済)。
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