2011 Fiscal Year Annual Research Report
経済危機と「政策レジーム」――パラダイム転換の国際研究
Project/Area Number |
22243015
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
眞柄 秀子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50219292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 鋭夫 九州産業大学, 経済学部, 教授 (10024978)
新川 敏光 京都大学, 法学(政治学)研究科, 教授 (30216212)
鈴木 基史 京都大学, 国際公共政策研究科, 教授 (00278780)
福田 耕治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20165286)
井戸 正伸 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00232497)
|
Keywords | 経済危機 / 政策レジーム / 経済成長 / 福祉国家 / 資本主義の多様性 / 制度経済学 / 国際行政学 / 比較政治経済学 |
Research Abstract |
2011年度は東日本大震災およびユーロ危機が起こった。この切迫した問題に直面し、本研究グループはフランスより数理経済計画予測研究所(CEPREMAP)のロベール・ボワイエ教授をプロジェクトに招聘し、次のようにボワイエ教授を中心とした国際会議・講演会を開催した。 (1)2011年12月7日 法政大学 ボワイエ教授講演「リーマン危機からユーロ危機へ:レギュラシオン派の歴史分析」(司会白鳥浩) (2)12月9日 京都大学 ボワイエ教授研究会「依然として多様な資本主義:現代比較分析」(主催 新川敏光) (3)12月13日 早稲田大学<経済危機と政策レジーム>第二回国際会議 ・ボワイエ「政体と経済の相互作用:レギュラシオン派のアプローチ」司会:山田鋭夫 討論:井戸正伸 ・福田耕治「経済危機とEU高齢社会戦略」司会:鈴木基史 ・原田裕治「産業間賃金格差、構造変化、労働分配率:1990年代以降の日本の経験」司会:鈴木基史 ・西洋「構造VARモデルによる日本経済の資本蓄積、所得分配、負債の動態分析」司会:藤田菜々子 ・眞柄秀子「成長、危機、レジーム変化」司会:藤田菜々子 また、上記国際会議の討論を反映して、下記の国内研究会を開催し、研究内容のさらなる充実を検討し、今後の研究方針を決定した。 (4)2012年3月9日 名古屋市立大学 国内研究会 (研究報告) ・新川敏光「福祉レジームと政策転換」・藤田菜々子「経済危機と福祉レジーム」・井戸正伸「政策レジーム変化の事例か?-民主党政権と2009体制」 (研究要旨・研究経過報告) 山田鋭夫「経済危機と成長レジーム-資本主義の変容と多様性」、原田裕治「プロジェクト分担研究経過報告」、西洋「研究計画報告」、福田耕治「欧州債務危機とユーロの行方-その政治的影響」、矢内勇生「経済危機と選挙-OECD諸国の比較分析」、眞柄秀子「プロジェクトの基本枠組と共通認識」
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はプシェヴォスキ教授を招聘し、経済危機と政策刷新に関する国際比較研究の基調となる理論枠組を設定することができた。2年目の2011年度にはボワイエ教授を招聘し、比較制度論的視点で分析するうえでの共通理解を確立することができた。各研究者は、上記二つの相互補完的アプローチから危機を分析することの重要性を確認し、着実に研究実績を重ねており、本プロジェクトは非常に順調に進行しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2011年度は、東日本大震災および原発事故の影響を考慮し、海外研究者の招聘をやや控え目に行った。2012年度以降は、海外研究者との交流をより積極的に展開する予定である。本プロジェクトの研究分担者が必ずしもカバーしていない研究分野について、新たに海外研究者の協力を求め、研究体制を強化する。また、日本だけでなく、海外でもシンポジウムを開催し、研究の成果をより国際的に発信したい。なお、2013年度には、研究成果をとりまとめ広く社会に公開するとともに、最終国際シンポジウムを日本で開催する予定である。
|
Research Products
(24 results)