2011 Fiscal Year Annual Research Report
顧客動線データを用いた消費者行動モデルの構築と実験
Project/Area Number |
22243033
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
矢田 勝俊 関西大学, 商学部, 教授 (00298811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 智子 関西大学, 商学部, 教授 (10330169)
中原 孝信 関西大学, 商学部, 助教 (60553089)
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Keywords | 経営学 / 経営情報 / データマイニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、RFIDを使って収集した小売店の店内顧客動線データを用いて、顧客の店内移動行為と購買行為の因果関係を明らかにする消費者行動モデルを構築し、店舗実験によってその有用性を検証することである。本研究では従来の購買履歴データと顧客動線データを統合することによって、どのような経路をたどり、どの売場にどれくらい時間を費やした顧客が何を購入したのかについて定量的に把握し、店内の移動と購買行動の関係を明らかにするものである。本研究で我々は実際の店舗で実験を行い、得られた知見の有用性を検証するが、本年度は震災の影響で新たな店舗実験の実施が困難になることが予想されたため、22年度に店舗実験をもとにして検討した理論的考察に基づき、その解析を中心にモデル化、仮説の抽出などを行った。またその成果の発信のため、国際会議での発表、ワークショップやシンポジウムを主催した。 1. 顧客動線のモデル化、仮説検証:マルコフチェーンや確率モデルのアプローチから、顧客行動のモデル化を検討した。特に時系列モデルに焦点を当て、新しいモデルの提案を行った。 2. 仮説に基づく店舗実験の設計:震災の影響が落ち着いてから、店舗実験の実施に向けた新しい実験の設計を行った。具体的な実験テーマとして、新商品の店内への配置問題、店内広告などの候補を検討し、実施可能な実験を絞り込み、日程、手法などを取り決めた。 3. 産学連携ワークショップの開催:本研究を取りまとめ、国内外からもマーケティング、コンピュータサイエンスなどの研究者を招聘し、成果報告会を行った。特にこれらの技術・マーケティング施策の企業への導入を促進するため、産学連携のワークショップを開催し研究成果の社会還元を促進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読付きの海外学術雑誌、国内学術雑誌に採択された論文本数は順調に推移しており、学会賞の受賞など学術界からの高い評価も得ており、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は更に店舗実験を重ね、理論的な検証を行う。企業とのコンソーシアムを形成し、店舗実験の詳細な設計を行っていく。また、中間報告、成果は産学連携ワークショップを主催し、積極的に公表していく。具体的には、店舗実験・新しいマーケティング施策の実施、顧客動線のモデル化・仮説検証、産学連携ワークショップの開催などの項目を中心に研究を進める。
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