2012 Fiscal Year Annual Research Report
他者をまえにした対人支援の問題の社会学的分析に基づく支援システムのデザイン
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22243037
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
久野 義徳 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10252595)
山田 洋子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (20123341)
樫村 志郎 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40114433)
五十嵐 素子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (70413292)
岡田 謙一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80118926)
池田 佳子 関西大学, 国際部, 准教授 (90447847)
今井 倫太 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60348828)
小野 哲雄 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (40343389)
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
中西 英之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335206)
カメイ・ダイチ アンドリュー 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70535658)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エスノメソドロジー / 相互行為分析 / 会話分析 / ヒューマンケア / コンピュータヒューマンインタラクション / CSCW / 高齢者支援 / ミュージアム研究 |
Research Abstract |
この研究は、さまざまな対人支援活動(サービス)を複数の人がいるまえで行う場面を、エスノメソドロジー・会話分析・相互行為分析の方法で分析し、人々がどのようにして言語的・身体的に自分の目の前にいる他者へ配慮を示すのかを明らかにする。また、他者のまえでサービスをすることや受けることの社会的意味を分析し、その分析から他者に対して配慮を示すロボットを中心とした対人活動支援システムを開発する。 平成24年度は、つぎの3つの対人支援活動場面を選びビデオ撮影を行い、撮影されたデータをエスノメソドロジー、会話分析、相互行為分析の方法で分析した。①保育施設:外国生まれの子どもが3分の1以上を占める保育施設での、他の子どもたちの前での保育者と子どもの相互行為場面の撮影と分析。②高齢者施設:奈良県、埼玉県の高齢者施設での、ケアワーカーと複数の高齢者との相互行為場面の撮影と分析。③日系人ミュージアム:多人数の観客の前での解説場面の撮影と分析。 また、上述の研究から4つのロボットを開発し、実証実験を行った。①TEROOS:遠隔操作ロボットの開発と、それを用いた高齢者の買い物支援の実証実験。②ガイドロボット:ガイドロボットの開発と、多人数の観客に対する解説の実証実験。③ロボット車いす:ロボット車いすの開発と、車いす使用者と介助者の相互行為に関する実証実験。④ケアロボット:多人数に対応するケアロボットの開発と実証実験。 またその成果は、情報処理学会等の査読付き論文誌、国際学会、著書で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①外国生まれの子どもが3分の1を占める保育施設、高齢者施設、海外の日系人ミュージアムで、人びとが多人数を相手にどのように語るか、またどのように行為するかを、撮影したビデオデータの分析により明らかにすることができた。 ②①の研究から、多人数に対して語ったり、相互行為を行ったりできる4つのロボットを開発し、実証実験を行った。(1)TEROOS:遠隔操作ロボット(2)多人数に対して語るガイドロボット(3)ロボット車いす(4)多人数に対応するケアロボット ③以上のロボット実験の成果を、内外の国際学会(CHI、HRI等)や国内の代表的な情報科学の論文誌(情報処理学会論文誌等)に発表することができた。とくにHRI2013では、ベストデモンストレーション賞をロボット車いすの研究で受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
①ハワイの日系人コミュニティーで多人数に対する語りのデータ収集を行う。 ②埼玉県の高齢者施設と保育施設で、多人数に対するケアに関するデータ収集を行う。 ③ハワイと福島の間で遠隔ロボットの実験を行う。 ④埼玉県の高齢者施設で、遠隔ロボット実験とロボット車いす実験を行う。 ⑤ガイドロボットの実験を、実験室状況で行う。 こうしたデータ収集やロボット実験をとおして、人びとが他者のいるまえでどのように語り、どのように行為するかを分析する。またそれをもとに多人数を支援するロボットの開発を行う。
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