2011 Fiscal Year Annual Research Report
岡山孤児院の国際性と実践内容の質的分析に関する総合的研究
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22243041
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
細井 勇 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (70190204)
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Keywords | 社会福祉 / 社会事業史 / 岡山孤児院 / 石井十次 / バーナードホーム |
Research Abstract |
平成23年度は、本共同研究の2年目である。以下のことが達成できた。 1)安東邦昭、細井勇は5月韓国蔚山大学を訪問、岡山孤児院にモデルを見出した京城孤児院に関する新聞記事を調査した。4月安東は上海を訪問、岡山孤児院と交流のあった上海孤児院の資料調査を行った。 2)細井勇、室田保夫、永岡正己、本井康博は8月10日~19日、ボストンのハーバード大学ノートン図書館で.,石井十次等に関するアメリカンボード関係資料の収集を実施した。 3)例年通り、8月25日から31日にかけ、石井十次資料館(宮崎県児湯郡木城町)で所蔵資料の整理目録化の作業を共同で行った。今回は、写真資料集の編集のための補充作業を行った。 4)例年通り、8月26日、宮崎県高鍋で石井十次研究会を開催、三上邦彦、高松誠はバーナードズ訪問調査の、永岡正己はハーバード訪問調査を、小野修三は救世軍訪問調査をそれぞれ報告した。また、姜克実『近代日本の社会事業思想』の書評会を実施した。8月28日の石井十次セミナーでは滝沢民夫が「増野悦興と石井十次」と題し講演した。さらに滝沢は論文「増野悦興の教育活動」を発表した。 5)平成23年8月、『石井十次資料館研究紀要』12号(371頁)を刊行、研究成果を諸論文に纏めた。 6)小野修三は、11月英国救世軍本営を訪問、その後その成果を「明治日本における石井十次と救世軍に関する一考察」として纏め掲載した。また「岡山孤児院日誌」を継続して紹介掲載した。 7)平成24年3月、三上邦昭等は英国バーナードズを再度訪問、平成23年3月の資料調査補充調査を実施。 三上邦彦、高松誠はバーナードホームの研究を進め、諸論文に纏めた。 8)平成23年6月と翌年3月、菊池義昭、元村智明は大阪愛染橋保育所の所蔵資料の整理作業を継続実施。 9)平成24年3月、科研費研究の中間報告書として『石井十次資料館研究紀要』別冊(252頁)を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
石井十次による岡山孤児院事業の国際性に着目する研究である。そのため、バーナードスの訪問調査、アメリカンボード研究、韓国京城孤児院、上海孤児院等の海外資料調査を実施する必要があったが、当初計画より予定を早めて実施できた。また、バーナードズとの情報交換や英国の研究者との交流を深めることができるなど当初予想していなかった国際性に相応しい研究活動が実現したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表の細井勇等は、平成24年度(3年目)は、ストックホルムで開催される国際ソーシャルワーク会議で、研究成果を報告する予定である。また、その後ロンドン牽再度訪問、関係機関の訪問を予定している。8月末には英国バーナードズの関係者を招聘しての研究会開催を予定している。平成25年度には国際シンポジウムを開催したく考えている。研究の成果を地元(宮崎県高鍋)で開催される石井十次セミナー等を通じて共有していくことをさらに国際的に発展させていきたい。残る海外資料調査は、慈善音楽幻灯会あるいは海外移民に係わるハワイ、サンフランコ調査である。 今後も石井十次資料館所蔵資料の調査目録化の作業は継続し、京城孤児院関係資料の纏め、松本圭一手記の編集》岡山孤児院新報等の復刻発刊、高鍋町立図書館所蔵関係資料の目録化、岡山孤児院関係写真集の刊行、岡山孤児院日誌の判読刊行等を継続ないし達成していきたい。
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Research Products
(16 results)