2013 Fiscal Year Annual Research Report
岡山孤児院の国際性と実践内容の質的分析に関する総合的研究
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22243041
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
細井 勇 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (70190204)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 岡山孤児院 / 石井十次 / バーナードズ |
Research Abstract |
本共同研究の中心的意図は岡山孤児院とバーナードズとの比較研究であり、このためこれまで数度英国バーナードズの本部、そのアーカイブを訪問し、資料収集を行ってきた。その研究成果発表の場とするとともにバーナードズの変革と挑戦の歴史が日本の児童福祉界に大きな刺激となると考え、バーナードズから2名を招聘し、国際セミナーを宮崎県高鍋と東京昭和女子大を会場として8月に開催した。本国際セミナーは本共同研究の開始当初から目標として掲げてきた企画であり、前国際SW連盟会長のデーヴィッド・ジョーンズ氏やバーナードズCEOの協力を得て実現できたものであり、かつ関係学会の協力を得て開催できたことの意義は大変大きいと考えている。 また、例年通り、8月『石井十次資料館研究紀要』14号を発行、研究成果として2件の研究論文を発表するとともに、岡山孤児院日誌の判読を継続発表、英国バーナードズ出張報告等を掲載した。 海外資料収集としてハワイの教会を訪問、慈善音楽幻燈隊関係の資料を収集しようとしたが十分な成果は挙げられなかった。 2014年3月には、科学研究費補助金研究成果の中間的報告書として2冊目となる『石井十次資料館研究紀要』別冊IIを刊行した。ここには2つの論説と、明治33年分の岡山孤児院日誌の判読を掲載した。松本圭一の手記の判読編集作業は継続して実施した。また、岡山孤児院日誌の判読作業を本年度も継続して進め、上記の研究紀要で発表した。 なお、『岡山孤児院新報』等の復刻出版、高鍋町立図書館所蔵の岡山孤児院関係資料目録、写真集の刊行は翌年の予定となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本共同研究が当初から目標として掲げていた英国バーナードズ本部から2名を招聘しての国際セミナーを計画通り開催することができた。それも石井記念友愛社の石井十次セミナーとして宮崎県高鍋町で、また、日本児童養護実践学会との共催として昭和女子大を会場として開催できたことの意義は大きいと考える。 また、例年通り、『石井十次資料館研究紀要』14号を刊行することができた、と同時に、科研費研究の中間的成果報告書として2冊目となる『同紀要』別冊IIを刊行することができた。 さらに、『岡山孤児院新報』等の復刻出版に向けた準備を進めることができた。しかしながら『岡山孤児院写真集』の刊行は翌年の最終年度となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、本共同研究の最終年度となる。バーナードズの関係資料収集をもう一度行い、バーナードズと岡山孤児院の比較研究の集大成を図っていきたい。また、かつてボストンを訪問して収集したアメリカン・ボードの岡山孤児院関係資料を検討し、研究成果として纏めていく必要がある。そして各連携研究者の研究成果を科研費研究成果報告書として最終的に纏めていく予定である。 なお、『岡山孤児院新報』等の復刻刊行、『岡山孤児院写真集』『高鍋町立図書館関係所蔵目録』『松本圭一の手記』『韓国の新聞に掲載された岡山孤児院関係記事集』を編集刊行する予定である。
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Research Products
(13 results)