2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244006
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 雅顕 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90193945)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10221657)
間下 克也 法政大学, 理工学部, 教授 (50157187)
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
大仁田 義裕 大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (90183764)
|
Keywords | 特異点 / 波面 / ガウス・ボンネの定理 / 変曲点 / 4頂点定理 |
Research Abstract |
特異点をもつ曲線と曲面の幾何学について本年度は以下の成果を得た. 1.分担者の山田氏および連携研究者の佐治氏との共同研究で,超曲面としての向き付け可能な閉波面に対して,ガウス・ボンネ型の定理の証明に成功した.その応用としてユークリッド空間の凸超曲面のアフィン・ガウス写像の特異点に関する指数公式を得た.但しこれは,まだ単なるA型の特異点の指数公式のレベルであり特異主曲率を含む形で,より高度なガウス・ボンネ型の定理を示すのが今後の課題である. 2.与えられた双曲的ガウス写像をもつ3次元de Sitter空間の平均曲率1の曲面と,ある種の特異点を許容する双曲計量の間に1対1の対応があることを,分担者の山田氏,連携研究者の國分氏,ラスマン氏,川上氏,藤森氏等との共同研究で示した.またその応用として,2つのエンドをもつ種数0の許容的な特異点をもつde Sitter空間の平均曲率1の曲面の分類を与えた. 3.研究協力者のThorbergsson氏と,数年前にForeman氏が発表した射影不変な新型の4頂点定理の精密化とその双対版を与える研究を行った.また昨年度,名城大の小沢氏および2年前に阪大大学院を卒業した大野氏との「平面閉曲線に関する変曲点」に関する共同研究の内容を,6月の京都大学・数理解析研究所の部分多様体の研究集会で発表した. 以上の研究の推進・発展のため,研究代表者は,分担者の山田氏,間下氏,橋本氏,大仁田氏と適宜連携し,いくつかの研究集会を開催し,この研究テーマに関連する研究者同士の研究交流を行った. また.本科研費の研究内容について,研究代表者は3月末の数学会年会において総合講演を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3重周期的極大曲面の構成,3次元双曲型空間の有界な平坦曲面については,昨年から研究が難航しているが,一方,特異点をもつ場合のガウス・ボンネ型の定理の超曲面への拡張については順調に進展した.また,4月にケルン大を訪問したことで,新たな射影不変な4頂点定理を発見するなど,思いがけない進展もあった.
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度の実施計画で,達成できなかった,3次元時空における3重周期的なはめ込まれた極大曲面の存在は今年度の達成をめざす.一方,3次元双曲型空間の有界かつ完備な平坦曲面の構成は難航しており,今年度は非存在の可能性も視野に入れながら,引き続き研究を継続する所存です.また再来年度には,国際研究集会も準備中で,国内外の研究者との連携をはかる予定です. また当初研究計画の視野になかった交叉帽子と呼ばれる特異点が,微分幾何学的に興味ある対象であることが,昨年度の研究で明らかになりつつあり,今年度以降は,これも研究対象に加える予定です.
|
Research Products
(9 results)