2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 雅顕 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90193945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光太郎 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10221657)
間下 克哉 法政大学, 理工学部, 教授 (50157187)
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
大仁田 義裕 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183764)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 特異点 / 波面 / 極大曲面 / 曲面 / ガウス写像 |
Research Abstract |
特異点をもつ曲線、曲面と超曲面の幾何学について以下の成果を得た。 1. 分担者の山田氏、ラスマン氏、連携研究者の藤森氏、韓国高麗大のYang氏との共同研究で、数年前、同じメンバーによる共同研究で構成した3次元時空の3重周期的なシュワルツ型の空間的極大曲面が、実は時間的極小曲面への実解析的な延長をもち、曲面は全体として埋め込みになっていることを証明し、論文にまとめた。この研究に関連して、上記の5人に加え、韓国のYang氏の研究グループの3名も加わり、合計8名の共同で、3次元時空において光的直線上で型変化をする極大曲面を構成し論文にまとめた。このような曲面の存在は、Klyachinによって可能性のみ指摘されていたが、本研究で初めてその存在が明らかとなった。 2. 分担者の山田氏およびグラナダ大学のMartin氏と、3次元双曲型空間の弱完備かつ平坦な波面で、2つの双曲的ガウス写像が共に有界であるものを構成した。さらに、この状況で研究代表者等は曲面自身が有界なものの存在を期待しているが、今回の研究では、まだ最終目標には至っていない。 3. 分担者の山田氏を含む5名の共同研究で交差帽子の内的な不変量の研究を行い、内的な不変量を系統的に見つけ出す方法を発見した。さらに、交差帽子の等長変形の具体例を与えて、内的でない不変量も同時に見いだし、論文にまとめた。 25年度2月に、分担者の山田氏およびスペインの幾何学者等と連携して、東工大において国際研究集会を開催した。24年度の繰越金は、この研究集会の会場費および外国人講演者等の旅費などに使用した。一方、分担者の間下氏、橋本氏および大仁田氏はそれぞれ研究課題に関連する研究集会等を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超曲面の特異点に関する曲率などの挙動に関する研究についてはあまり成果が得られなかったが、自己交差を持たない3重周期的な極大曲面の発見、交差帽子の内的不変量の発見など、特異点をもつ曲面の研究においてめざましい研究成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が進むにつれて、特異点の第一基本形式だけからきまる内在的な性質の重要性を強く認識するようになった。東京工業大学で2月に開催したスペインの幾何学者との国際研究集会では、参加者と研究交流を行うことで、新たな知見や研究の糸口をつかむことができた。今後も引き続き、国内外の同分野の研究者と連携しつつ特異点に関する新しい微分幾何学の構築をめざしていきたい。
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Research Products
(9 results)