2014 Fiscal Year Annual Research Report
微分方程式論からみた生物のパターン形成―分析から総合へ
Project/Area Number |
22244010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 泉 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40154744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 卓克 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20224107)
池田 榮雄 富山大学, 理工学研究部, 教授 (60115128)
長澤 壯之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70202223)
柳田 英二 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80174548)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 反応拡散系 / パターン形成 / 曲面・曲線の変形 / 空間的不均一性 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の発生段階で繰り広げられる形態形成の過程を数理モデルを通して理解するために必要な数学的理論の構築を目指して研究を行ってきた.本年度は最終年度であるため,研究成果の総括として国際研究集会を開いた. 研究代表者は,不均一な環境でのスパイク状パターンに注目し「位置決め函数」を導入してスパイクの位置を特定する方法を見つけ,その応用として,予め決めた場所にスパイクが出現するように制御する方法を考案した.小川は走化性モデルの解の挙動を分ける閾値となる指標を抽出することに成功した.池田は有害藻類の開花現象を説明するために三種からなる拡散反応系を考案し,その性質をある極限系の場合に調べた.長澤は曲線の運動を考察するため,結び目のエネルギーの一つであるメビウスエネルギーに着目し,それを不変にする変換によって函数空間を分解し,見通しよく変分公式を導出することに成功した.柳田は藤田型の非線型拡散方程式に対し,非収束解や非有界解の存在と性質を調べた,.またフィッシャー型方程式に対し,空間的にゆっくり減衰する初期値に対する界面の挙動を調べ,ハミルトン・ヤコビ方程式との関連を明らかにした. 上山は,パターン形成問題の応用として腹足類の運動,パニック状態における脱出時の出口付近の混雑,非一様場におけるスパイラルパターン生成の問題を考察した.岡部は,高階放物型方程式に対する障害物問題を考察し,障害物が一つの場合に長時間解が存在することを証明した.中島は,一次元区間上の遺伝子頻度モデルを研究し,多重遷移層をもつ定常解の存在,形状,安定性を解析しそれが唯一つの定常解であることを証明した.山田は,二次元および三次元多様体上の幾何学的構造の族について,多様体上の微分方程式系を用いて理解を深める研究を行った.二次元の場合には,ヒルベルト計量を介して,リーマン計量,共形構造に加えて射影構造を併せて考察した.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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