2012 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴非弾性X線散乱による電荷の時間空間相関の研究ー強相関電子系を中心にしてー
Project/Area Number |
22244038
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
水木 純一郎 関西学院大学, 理工学部, 教授 (90354977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊川 秀訓 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 制御・情報部門ステーション制御チーム, 主幹研究員 (60344397)
筒井 健二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (80291011)
平賀 晴弘 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90323097)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 共鳴非弾性X線散乱 / 強相関電子 / 電荷励起 / 超伝導 |
Research Abstract |
本研究は、強相関電子系における電荷揺らぎ、特にスピン秩序や電荷秩序の衣を引きずった電荷励起を観測し、電子相関を定量的に測定しそれらが示す物性・機能発現の機構を解明することを目的とした。本研究の装置開発の中心であった新検出器であるピクセルサイズ75μm、ピクセル数512×1024、有感面積4cm×8cmの実機を完成させ、SPring-8のBL-11XUにおいてエネルギー校正、感度特性評価を行い、研究計画に掲げた高空間分解能型のEIGER検出器実機を完成させた。Cu K-吸収端でのエネルギー分解能は約80 meVを観測した。EIGER検出器の放射光実験への実応用は共同開発を行ったSwiss Light Sourceでも未だなされておらず本研究が世界初の試みである。またもう一つの開発要素であったマルチアナライザー化も完成し、それを使った触媒材料の共鳴非弾性X線散乱実験を行い、従来の3倍の高効率実験が可能となった。銅酸化物高温超伝導体におけるバンド内キャリヤー励起の運動量依存性の観測に初めて成功した。これにより、母物質に導入された超伝導発現に関わる電子、及びホールが同じような分散関係を持つことを実験的に明らかにした(Phys. Rev. B 87, 104511 (2013))。理論サイドからは、鉄系高温超伝導体の母物質である二次元反強磁性金属 BaFe2As2と典型的な反強磁性金属であるCrのL端共鳴非弾性X線散乱スペクトルを、乱雑移送近似と高速衝突近似を用いて計算し、スピン波励起の強度とともに軌道に関わる励起強度を明らかにした。さらに、銅酸化物高温超伝導体のL端共鳴非弾性X線散乱スペクトルで観測されたスピン励起ダイナミクスに関する理論的考察を行い、t-J模型に欠けている3サイト項の重要性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)