2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22244051
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
柳下 明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80157966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 純一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (10322629)
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Keywords | 配向分子 / 運動量画像測定 / 光電子回折法 / 形状共鳴 / X線光電子回折理論 / 時間依存密度汎関数法 / 分子配向制御 |
Research Abstract |
平成23年3月11日の東日本大震災の影響で、平成23年度の前期はPFの放射光実験が行えないことになってしまったので、この期間は高強度レーザー電場による分子配向制御技術を導入した、「配向分子サンプル」+「光電子の運動量画像測定」の新たな実験スキームの構築に専心し完成させた。そして、多重同時計測運動量画像分光法を用いた従来型の実験はPFの軟X線放射光を利用して行い、新たな実験スキームによる予備実験は理化学研究所のEUV自由電子レーザーを利用して行うことにした。研究成果は以下のとおり。 CO分子の分子座標系のC1s光電子角度分布データにX線光電子回折理論を適用して、150eV程度の高エネルギーの角度分布データは回折理論で良く再現できることを明らかにした。このことは、光電子回折法を開拓する本研究の基礎固めとなった。 H_2CO分子を対象とした研究では、「H_2C^-O^+」解離座標系の01s光電子角度分布データを時間依存密度汎関数法による理論計算で解析して、形状共鳴のダイナミクスを明らかにした。同様な研究をCH3OH分子についても展開している。 CH_3F分子を対象とした研究では、広いエネルギー領域にわたって、「CH3^+-F^+」解離座標系でF1s光電子角度分布測定をおこなった。10eV以下の低エネルギー領域では、角度分布に強い線二色性が現れることを発見した。さらには、150eVの高エネルギーの角度分布データをX線光電子回折理論計算で解析して、C-Fの結合距離を精度良く決定できることを明らかにした。 高強度YAGレーザー電場によるCS_2分子の配向制御の度合いを調べる目的で、実験装置を理化学研究所播磨研究所に持ち込み、YAGレーザーとEUV自由電子レーザーの同期実験を行った。時間同期は精度良く確認できたが、空間同期が不十分だったため、残念ながら初期の目的を達成することは出来なかった。平成24年度も引き続き本実験を実施する予定でいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多重同時計測運動量画像分光法を用いた従来型の実験は順調に進展している。しかし、「配向分子サンプル」+「光電子の運動量画像測定」の新たな実験スキームによる実験は、まだ予備実験の段階である。理化学研究所のX線自由電子レーザーのビームタイムを確保できれば、当初の計画どおりに進展すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
多重同時計測運動量画像分光法を用いた従来型の実験は当初の計画どおりに推進する。 「配向分子サンプル」+「光電子の運動量画像測定」の新たな実験スキームによる実験については、まずは予備実験で実績を示してから、X線自由電子レーザーのビームタイムを確保するよう努める。
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Research Products
(11 results)