2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタン及び水素ハイドレートの低温-高温高圧下での物性変化と氷天体内部構造の推定
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22244055
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平井 寿子 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, グローバルCOE教授 (60218758)
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Keywords | メタンハイドレート / 水素ハイドレート / 低温高圧 / 高温高圧 / 氷惑星・衛星 / 内部構造 / ダイヤモンドアンビルセル / クライオスタット |
Research Abstract |
水素やメタン、氷からなる水素ハイドレートやメタンハイドレートが近年太陽系の惑星・衛星や恒星の初期過程である原始星に存在する可能性が次々に報告されている。これらの氷惑星・衛星の内部構造や状態は主に探査機による分光学的・物理学的測定や理論計算によって推定されてきたが、実験的な検証はほとんどなされていない。そこで、メタンハイドレートや水素ハイドレートを氷天体内部に相当する低温高圧から高温高圧の条件下におき、これらの相変化や物性変化を実験的に明らかにし、これらの知見を基に氷惑星や衛星の内部構造を推定し、進化過程を検討するのが本研究の目的である。本研究期間においては、メタンハイドレートやその関連物質である二酸化炭素ハイドレートに関して、これらのハイドレートが太陽系で存在するであろうと考えられる低温実高圧下における実験を行った。メタンハイドレートに関しては、従来全く知られていなかった低温高圧物性の一部が明らかになった。また、二酸化炭素ハイドレートに関しても、これまで報告されていた相境界を低温高圧領域に延長することができた。また、低温高圧下で従来知られていなかった新たな高圧相が存在することを明らかにした。さらに、このハイドレートは他のハイドレートに見られない低温領域で分解があることが理論計算によって予測されていたが、本実験ではこの低温分解は見出すことはできなかった。これらの結果を基にして、火星における二酸化炭素ハイドレートの存在限界や土星衛星タイタンの氷マントルにおける存在の可能性などを検討した。
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Research Products
(5 results)