2010 Fiscal Year Annual Research Report
精密飼育実験に基づく間接指標の開発と低中緯度域の気候変動システムの解明
Project/Area Number |
22244064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川幡 穂高 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20356851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
井上 麻夕里 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20451891)
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Keywords | 生物硬化作用 / 生物起源炭酸塩 / 炭酸塩飽和度 / 酸素同位体比 / 有孔虫 / 真珠貝 / 気候変動 / 海洋環境 |
Research Abstract |
研究の目的は,(1)サンゴ礁に生息する大型底棲有孔虫(Amphistegina lobifera,Marginopora kudakajimensis)を対象に精密飼育実験を行い,水温・塩分・pHに関して新しい環境間接指標を開発し,IODP(統合国際深海掘削計画)のグレートバリアリーフとタヒチから得られた試料に適用し,低緯度域のエルニーニョ・南方振動を明らかにする.(2)サンゴの飼育実験より,pH指標に関して,サンゴ骨格のU/Ca比などの新しい指標を開発するとともに,それを用いてpH時系列のデータを復元し,石灰化への影響,海洋環境や気候変動からの影響を明らかにする.(3)また,翼足類について,精密飼育実験を行い,水温・塩分・pHに関して新しい環境間接指標を開発するとともに,実海域での分布などを把握し,将来の海洋酸性化による影響を評価することである. サンゴについては,試料を採取し,精密飼育実験のセットアップを行い,飼育を継続できた.現在,その試料について,1)酸素・炭素の安定同位体比,2)ホウ素同位体,3)微量無機元素などを分析中である.また,翼足類についても,プランクトンネットにても,現生の試料を採取した.そして,海水中の二酸化炭素濃度をコントロールした海水中で飼育中である.
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