2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマバイオプロセスにおけるラジカル表面相互作用の系統的解明
Project/Area Number |
22244075
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜口 智志 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60301826)
|
Keywords | プラズマ / 表面・界面物性 / 蛋白質 / 細胞外マトリックス / PMMA / シミュレーション / イオンビーム / 大気圧プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、プラズマによるバイオマテリアルプロセスや生体組織プロセスの表面反応過程やその物理化学的機構を理解するため、イオンビームシステム、プラズマビームシステム、数値シミュレーション等を用いて、有機高分子膜表面と各種イオン・ラジカル入射の相互作用を解析する。特に、本年度は、イオンビームと有機高分子膜PMMA(ポリメチルメタクリレート)の相互作用、大気圧プラズマジェットを用いたフィブロネクチン等のタンパク膜の相互作用を調べた。イオンビーム実験においては、低エネルギー領域で、Ar^+およびCF^+_3の照射を行い、PMMAのスパッタリングイールドをもとめ、また、イオンビーム照射によるポリマーのアモルファスカーボン化の様子をXPS等表面解析で明らかにした。また、分子動力学シミュレーションを用いて、同実験のシミュレーションを行い、定性的に一致する結果を得た。特に、水素イオン入射が、PMMAからの水素引き抜き反応を促進し、ポリマーの力学的強度を向上させることがシミュレーションで示され、その解析により、水素プラズマ処理がフォトレジスト等の力学強度向上に有効であることの物理機構が明らかになった。さらに、細胞チップにの製造に不可欠な、生きた細胞のシリコン上での培養プロセスを実現するための、細胞外マトリックス(ECM)の大気圧プラズマによるパターニング効果を調べ、100μm幅レベルの微細パターン化されたECM上での細胞培養が可能であることを確認した。
|
Research Products
(51 results)