2012 Fiscal Year Annual Research Report
高励起状態化学の分子素子や環境問題、ナノおよびバイオテクノロジーへの応用
Project/Area Number |
22245022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤塚 守 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40282040)
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
立川 貴士 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20432437)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高励起状態 / 分子素子 / 環境汚染物質 / DNA / 電子移動 / 活性酸素 / 過剰電子移動 / ラジカルイオン |
Research Abstract |
本研究は高励起状態から進行する化学反応を、分子素子、環境汚染物資の分解、光線力学療法へ展開することを目的としている。今年度は、昨年度に引き続き、光線力学療法を志向したDNA内過剰電子移動の検討、ダイマーラジカルカチオン励起状態の検討、および分子素子応用のためのポルフィリン異性体超分子内の電子移動過程の解明を行った。具体的内容は以下のとおりである。 (1)DNA内の電荷移動は生科学での重要性ならびに分子素子応用の観点から注目されている。昨年度、われわれはDNA内の過剰電子移動をダンベル型DNAを用いて検討したが、今年度はヘアピン型DNAを用いて、過剰電子移動速度の導出を行った。具体的にはジメチルピレンをドナー、ジフェニルアセチレンをアクセプターとしたヘアピンDNAを合成し、ドナー励起により過渡吸収測定することで、過剰電子移動速度を導出した。その結果、連続チミン間の過剰電子移動は、グアニンおよびアデニン間のホール移動よりも高速であることを確認した。 (2)ダイマーラジカルカチオンは近赤外領域に電荷共鳴に基づく吸収を示すことが知られている。われわれはパルスラジオリシスとレーザーフラッシュフォトリシスを組み合わせることにより、ダイマーラジカルカチオンの励起緩和過程について検討を行った。ピレンダイマーラジカルカチオンの電荷共鳴帯を選択励起すると、ダイマーラジカルカチオンの減少と、モノマーラジカルカチオンの増加が確認されたことより励起状態での解離過程が確認された。 (3)ポルフィリンは種々の超分子構造の重要な構成要素であり多くの研究例があるが、その構造異性体の検討例は少ない。本研究では構造異性体のひとつであるコルフィセンを電子供与体としたドナー・アクセプターダイアッド内の電子移動過程を検討した。電子移動速度の自由エネルギー変化依存性を明らかにし、他の異性体との差異を理論計算より明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(39 results)