2013 Fiscal Year Annual Research Report
キラル高速フォトクロミック分子による革新的高速光スイッチング材料の創製
Project/Area Number |
22245025
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
阿部 二朗 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70211703)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フォトクロミズム / イミダゾール二量体 / 液晶 / 光学活性 / 光スイッチ / ホログラム |
Research Abstract |
イミダゾール二量体であるHABIのフォトクロミズムは、発色反応は二つのイミダゾール環を結ぶC-N結合の光解離によるTPIRの生成反応であり、消色反応は発色反応により生成したTPIR間のラジカル再結合反応である。ラジカル再結合反応は熱反応であり、光照射により促進されることはなく、熱反応によってのみ消色する典型的なT型フォトクロミック分子である。溶液中におけるTPIRからHABIへの戻り反応は、半減期が濃度に依存する二次反応に従う熱反応であることから、TPIRが消失して完全に消色するまでには数分の時間を要する。これまでに、われわれは二つのイミダゾール環をナフタレンや[2.2]パラシクロファンで架橋することで、TPIRの媒体中への散逸を抑制して、高速なラジカル再結合反応を示す高速熱消色フォトクロミック分子を開発してきた。 平成25年度は、高速フォトクロミズムを利用した三次元物体の実時間ホログラムに成功した。われわれはこれまでに[2.2]パラシクロファン架橋型イミダゾール二量体誘導体をポリマーに分散した高速フォトクロミックフィルムを用いて、二次元フォトマスクの実時間ホログラムを世界で初めて成功している。本研究では高速フォトクロミズムを用いたホログラムをさらに発展させるため、対象物体を二次元フォトマスクから三次元物体に展開して実時間ホログラムを観測した。三次元物体を用いたホログラム形成実験では、二次元フォトマスクを用いた場合と比べて散乱により物体光の強度が著しく減少してホログラムの形成時間が遅くなるため、形成時間と消滅時間の両方を考慮する必要がある。高速フォトクロミックフィルムのホストポリマーの柔軟性や、ポリマーにドープするフォトクロミック分子の濃度や熱消色反応速度を最適化してホログラムの形成時間を高速化させた結果、三次元物体の連続的な実時間ホログラムを世界で初めて観測した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(36 results)