2011 Fiscal Year Annual Research Report
光合成系をモデルとした光応答超分子ナノデバイスの構築
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22245030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
民秋 均 立命館大学, 薬学部, 教授 (00192641)
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Keywords | 超分子化学 / 光物性 / マイクロ・ナノデバイス / 生体分子 / 光合成 |
Research Abstract |
1)会合性ポルフィリン類の合成:クロロゾーム型クロロフィルをモデルとして、アキシャル配位子を取りやすいポルフィリン亜鉛錯体のπ環系の周辺部位にアミノ基や水酸基を3'位に導入した化合物を、天然産のクロロフィル色素分子を有機化学的に修飾することで合成した。 2)J会合体の構築:上述の合成ポルフィリン分子が、低極性有機溶媒中(均一系)や水中のミセル内(ミクロ不均一系)の疎水的環境場で、J会合体を形成することを明らかにした。あわせて、会合体の安定性を、モデル分子に導入された電子吸引性基によって増大できることも明らかにした。さらに、これまでそのようなJ型自己会合体形成に必須とされていた13位のカルボニル基の代わりに、ジシアノメチレン基でも有効であることを見出したことは特筆される。 3)超分子構造を規制した会合体の構築:自己集積体のサイズ制御のために、会合環境の空間的な規制を目指して、各種の固体基板表面上での合成モデル分子の自己会合体の形成を検討した。表面が疎水的な高配向性熱分解グラファイト(HOPG)では安定に会合体形成できることを見出した。一方、中性的なシリコン基板や、親水的な雲母やガラス基板でも会合体を形成しうるが、安定性が乏しいことも判明した。しかし、疎水性の高い官能基をモデル分子のπ環系の周辺部位に配置すれば、後者の基板上でも安定な会合体を形成しうることを見出した。 4)階層を制御した超・超分子系の構築:超分子構造が秩序正しく構成されたポルフィリンの自己会合体に、自己集積能のない異質分子を添加することで、超分子の周辺部に様々な機能性部位を導入することを試みた。特に、近赤外吸収能のあるバクテリオクロリンやクロリンを導入することで、クロリンやポルフィリン型の自己会合体からの光励起エネルギー移動系を構築できることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた1)会合性ポルフィリン類の合成と2)J会合体の構築は十分に成果が得られた。また、3)超分子構造を規制した会合体の構築にも、ほぼ予定通りの進展がみられ、原子間力顕微鏡による観察から、分子の構造に応答して、会合体の超分子構造が制御できる見通しがついた。4)階層を制御した超・超分子系の構築については、予備的な実験には成功しているが、達成度は及第点と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を基にして、さらに1)新規な会合性ポルフィリン類の合成と2)それらのJ会合体の構築を行いつつ、3)超分子構造を規制した会合体の構築と4)階層を制御した超・超分子系の構築を進めていく。走査型プローブ顕微鏡を駆使しつつ、高度な時空間分光法も活用して、5)超分子系での機能創出や6)光応答超分子ナノデバイスの創製も目指す。
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Research Products
(95 results)