2014 Fiscal Year Annual Research Report
光合成系をモデルとした光応答超分子ナノデバイスの構築
Project/Area Number |
22245030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
民秋 均 立命館大学, 薬学部, 教授 (00192641)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 光物性 / マイクロ・ナノデバイス / 生体分子 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 会合性ポルフィリン類の合成:緑色光合成細菌の主たる光合成アンテナであるクロロゾームにおけるクロロフィル分子をモデルとして、アキシャル配位子を取りやすいクロロフィル誘導体の亜鉛錯体を新たに合成した。3位上の置換基として従来の酸素官能基以外に窒素や硫黄官能基の導入や、13位のケトカルボニル基の(ジ)シアノエチレン基への改変に成功した。またクロスカップリング法を利用して20位に様々な炭化水素基を導入することにも成功した。さらに、緑色光合成細菌のクロロフィル合成酵素の一つである8-ビニル還元酵素を欠損させた変異株を利用して、8位にビニル基有するクロロゾーム型クロロフィルを新たに調製した。 2. J会合体の構築:上述の半合成あるいは生合成ポルフィリン分子を、ヘキサンのような疎水性有機溶媒中や中性界面活性剤であるTriton X-100水溶液中に分散させて、クロロゾーム型J会合体を形成させることに成功した。31位の水酸基以外に、一級アミノ基でもがあってもJ会合体を形成しうるが、チオール基では二量体のような小さい会合体しか形成しなかった。また、13位への電子吸引基の導入と、20位への立体的に比較的込み合っていない置換基の導入が、J会合体形成にとって有用であることも判明した。 3. 超分子系の機能解明:バクテリオクロロフィルeを構成分子とする緑色硫黄細菌のクロロゾームにおける光収穫・励起エネルギー移動を、低温・高速2次元電子相関分光法を用いて検討し、その自己会合体内で超高速・高効率での励起子移動を確認した。 4. 光応答超分子ナノデバイスの創製:2で示したJ会合体をガラス基板上で調製することに成功し、さらにその上に光励起エネルギー受容体となる新たな分子を修飾することにも成功した。このような2成分系では、励起一重項エネルギー移動が可能であり、人工光合成アンテナとして機能した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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