2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22245032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹谷 純一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20371289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 真由美 大阪府立産業技術総合研究所, 情報電子部, 主任研究員 (90393298)
山本 貴 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20511017)
中澤 康浩 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60222163)
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Keywords | 分子性固体 / 有機半導体 / 表面・界面物性 / 電子デバイス |
Research Abstract |
まず、初年度の22年度は、阪大産研の研究代表者のグループにおいて、BTBT系、TIPS-pentacene、TTF、BEDT-TTFなどのp型半導体やTCNQなどのn型半導体で溶解性が高いものを用いて、様々な高品質の有機単結晶界面を作製することから、本研究をスタートした。その結果、結晶成長する基板の濡れ性を保つなど、結晶成長の微視的な機構と最適な条件を明らかにし、再現性の高い単結晶界面作製技術を確立した(Adv.Mater. in press)。また、有機結晶界面における電荷移動の定量的な評価法を検討した。アクセプタ性の強いF_4-TCNQ溶液を塗布することによって、アルキルBTBTへの何らかの電荷移動効果が現れて、トランジスタ特性が改善する現象を見出して、表面において微小な電荷移動錯体結晶が得られていることを、高分解能の光吸収測定によって明らかにした。さらに、圧力下で伝導度測定ができるクライオスタットシステムを導入して、100K以下の低温に至るまでのホール効果測定を立ち上げた。本測定の結果、伝導性キャリアの量を同定したうえで、界面のキャリア移動度が圧力とともに金属状態に近づいていくことを見出した。 一方、研究分担者の山本が中心となって、界面電子系全体に蓄積されるキャリア量と相補的な物理量として、ドナー及びアクセプタの分子一個あたりの電荷移動量が多重反射を利用した分子振動分光法によってとらえられる手法を検討した。研究分担者の宇野と中澤は、ドナー結晶とアクセプタ層の間の電荷移動によって界面の金属的電子相が形成された際に、電子系の秩序状態のエントロピーが実測できる低温電子比熱係数が測定可能かどうかを検討した。あわせて、ごく微量の低温比熱を計測するための必要十分な熱容量測定装置の設計を行った。
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Research Products
(11 results)